アルコールが原因でEDになる?
適度なお酒は、活性酸素を消去し、酸化ストレスを軽減させ、EDの原因を解消します。
しかし、『過度』な飲酒は癌などの重い病気や、生活習慣病など、様々な問題を引き起こし、それが原因でEDになることがあります。
馬並師匠
さる
アルコールを分解する酵素は人それぞれで所有量が違う
アルコールを飲むと、EDになってしまうということがあります。しかしそれは体質によりますし、飲む量にもよります。ある人が、適量のお酒を飲むと、逆に性欲が高まり、盛んになるという事実もありますからね。一概には言えません。
お酒を飲むと顔が赤くなる人と、そうでない人がいます。それは、アルコールを分解する酵素の量が関係してきます。顔がすぐに赤くなる人は、その酵素の量が少ない。したがって、そういう人はお酒が弱いので、あまりお酒を飲みすぎてはいけません。
よく、『酒が強い』ということを自慢げに話し、『酒が飲めない人とは付き合えない』と言って、無理強いをするシーンがありますが、あれは単なる想像力の欠如と自分本位な発想が招いた誤謬です。間違った考え方なので、誤りを正す必要があります。
例えば、新入コンパです。大学生や新入社員が、先輩たちから飲み会の席を設けられ、アルコールの一気飲みを強いられる。人によっては、それに耐えられるだけの酵素を持っていて、なんなく飲み会を終えられるでしょう。しかし、そうした体質を持ち合わせていない人が、アルコール中毒で死んでしまった例があります。それが現実なのです。
ある歌舞伎町のナンバーワンホストは、その酵素の量がとても多いことで有名です。もちろん、そこへ来る女性客は、『酵素がなんちゃら』とかそういう話は興味がありませんから、ただひたすらにお酒をがぶ飲みするそのホストが、格好よく映ります。
彼は番組で実際に病院へ行き、診察を受けました。そしてそこの医者に、
あなたはお酒を分解する酵素が人一倍多いようだ。
と言われていました。ホストの彼も、
僕がナンバーワンになれたのも、この酵素のおかげです。
と言っていたんですね。自分の実力だと過信する人よりも、とても賢明に見えますし、好印象を持てます。その言い方なら、『酵素の有無が、時に人の運命を決める』というニュアンスが生まれますから、彼は『たまたまホストに向いている体質で、それを活かすことができた』、賢く、運の良い人ということになり、アルコール中毒で死んでしまった人、死なせてしまった人は、『その酵素の存在を知らなかった人』ということになります。
ホストの彼が、
俺は実力でナンバーワンになったんだ!
と言ったのなら、
お前も酒をがぶがぶ飲め!
と言って、後輩や女性にお酒を強要し、死なせてしまったかもしれません。このようにして、人には体質というものがありますから、お酒とEDに関しても、一概には言えません。
出典:酔いのメカニズム
飲みすぎてしまい、お酒につぶれてしまえば眠ってしまい、そうすれば体の機能も停止してしまいますからね。そういう人は当然、EDにもなるでしょう。アルコールによって神経が麻痺しますから、立とうと思っても立てなかったり、あるいは『勃たせよう』と思っても、勃たなかったりしますよね。それも、その人の体質や、飲む量によって変わってくると言えます。
馬並師匠
さる
- アルコールを分解する酵素は人それぞれで所有量が違う。
適量のお酒は逆にEDになりにくくなる?
ただ、原則としては、適量のお酒は、逆にEDになりにくくなるという事実があるのです。『ササっとわかる 男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)にはこうあります。
『お酒』を飲む人はEDに『なりにくい』って本当!?
お酒を飲むと気持ちがリラックスするのは、多くの人が体験的に知っていることですが、飲酒には実は酸化ストレスを軽減する効果もあります。これは、お酒を飲むことによって『アルコールデヒドロゲナーゼ』という酵素が活性化するからです。この酵素が活性酸素を消去し、酸化ストレスを軽減させるのです。
適量の飲酒ががんの予防になるといわれるのは、DNAを傷つける活性酸素をアルコールデヒドロゲナーゼが消去して防ぐからです。酸化ストレスは、EDの大きな原因のひとつでもあります。したがって、『お酒を飲む人はEDになりにくい』という法則が成立するというわけです。
ここで、もう一つこの参考文献から引用しておく必要があります。
EDを引き起こす『2つのストレス』
ここまで見てきたとおり、EDを引き起こすストレスには2つの種類があります。『交感神経』を活性化させる外部からのストレスと、『活性酸素』の増大によって起こる酸化ストレスの2つです。前者を『社会的ストレス』、後者を『生物学的ストレス』と呼んでもいいでしょう。
まず勃起の仕組みを再確認しましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2※副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6勃起
という流れが勃起の仕組みです。ポイントは※の部分。『副交感神経』。
- 交感神経が優位=緊張、不安
- 副交感神経が優位=リラックス
ですから、まずは緊張をほぐし、リラックスすることが大切。それなのに、『社会的ストレス』が外部からかかってしまうと、それで優位になるのは交感神経の方ですよね。つまり、リラックスできません。交感神経と副交感神経については、下記の記事をご覧ください。
それと同時にもう一つのストレス『生物学的ストレス』ですね。それによってもEDは引き起こされます。更に本から引用しましょう。
『酸化ストレス』が高まると『血管』を傷めてEDとなる
生物が生きるために酵素は不可欠な物質です。しかし、酵素は常に生命体に有効的に作用するわけではありません。生物は一般に、体重あたりの酵素消費量が多いほど、寿命が短くなります。ネズミの寿命が短く像の寿命が長いのは、この法則によるものです。これは酵素の中でも、とりわけ『活性酸素』と呼ばれる物質が、生命体のDNAやミトコンドリアを傷つけるためです。
活性酸素は、血管や神経の細胞にも傷害を与えます。活性酸素によって傷つけられた血管は、十分なNOを分泌することができなくなります。これが多くの生活習慣病やEDの原因です。通常、活性酸素は抗酸化物質によって所虚されますが、活性酸素の量が多くなると消去されない活性酸素が体内に残ります。この状態を『酸化ストレス』と呼ぶことは1章で述べた通りです。
- STEP.1体内の活性酸素が多くなる酸化ストレスが高くなる
- STEP.2活性酸素が神経や血管の細胞を傷つける
- STEP.3神経や血管から十分なNOが出なくなる
- STEP.4血管が拡張しづらくなる
- STEP.5血管に十分な血液が送り込まれなくなる
- STEP.6勃起しなくなる
つまり、この活性酸素における『酸化ストレス』によって、下記の流れで言うところの太字の部分、
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6勃起
ここに問題が起きるわけですね。するとEDの原因となるわけです。しかし、お酒を飲むことによって『アルコールデヒドロゲナーゼ』という酵素が活性化します。この酵素が活性酸素を消去し、酸化ストレスを軽減してくれるので、EDになりにくくなる、という考え方があるんですね。
ですから、『お酒を飲むとEDになる』というのは、一概には言えないのです。そうなる人もいれば、そうならない人もいるし、そういう状況もあれば、そうならない状況もあるでしょう。そこにはこうした『酵素』の問題や体質などが関わっているんですね。
馬並師匠
さる
- 適量のアルコールは活性酸素を消去し、酸化ストレスを軽減させる。
基本的にはお酒は控えたい
ただし、基本的には精神未熟な人はお酒を飲んで性欲を暴走させていいことはありません。『お酒の勢いで』なんていう言葉がありますが、それで失敗することは往々にしてあります。自分が失敗する場合もあれば、相手にそれを飲ませて暴行をするということもあります。
また、違う例では飲酒運転によって意識が酩酊し、数人の女性を撥ねてしまった事件がありました。女性たちは皆亡くなりました。その犯人は逃亡しましたが、すぐにつかまって、懲役刑を余儀なくされました。
お酒によって、飲酒運転をする発想を思いつく。そして、人を轢き、命を奪い、そこから逃げるという発想をする。そして最後には懲役刑。いや、最後ではありませんね。実際にはそこから死ぬ瞬間まで、その人たちの命を考えていく人生を強いられることになります。被害者遺族からの厳しい目も向けられ続けます。
下記の記事にも書きましたが、
確かに、アルコールの記事にも書いたように、適切な量の、
- 日本酒(熱燗)
- ビール
- 赤ワイン
を飲むことはむしろ『薄毛の改善になる』、という見解もあります。EDだけじゃなく、薄毛の改善にもなるんですね。また、聖書にも葡萄酒を飲むことを推奨する記述があります。
『超訳 聖書の言葉』にはこうあります。
悲しむ心にワインを
強い酒は、滅びていく人に与えよ。葡萄酒は、悲しむ心に与えよ。飲んで、悲痛を忘れ、今の苦しみを思い出すことがなくなる。
格言の書 第31章
少量のお酒なら、人間の心を厳しく管理する存在である宗教でさえも、良しとしているところがあるのです。
ただし、同じ宗教でも仏教ではこう説いています。『超訳 ブッダの言葉』にはこうあります。
アルコールを飲んではいけない理由
君よ、自分の内側を見張ってコントロールすることができなくなり酔っ払う原因、すなわちアルコール類を飲むことは、6つのデメリットがある。
1.お酒を飲む代金や飲食費がかさむ
2.自己抑制がぼんやりとして喧嘩しやすくなる
3.臓器にダメージを与えて病気の原因になる
4.『酒を自制できない人』と信用を落とす
5.性欲に駆られて浮気や不倫をしやすくなる
6.脳神経のつながりが狂い、知力が衰える
長部経典『六法礼経』
ですから、宗教でも飲酒を推奨している、という詭弁を盾にしてアルコールを飲むのはやめたほうがいいですね。
ブッダの言葉の6つのポイントは全て重要ですが、とくに太字の部分は、今の話に密接にリンクしていることがわかりますね。『性欲に駆られて浮気や不倫をしやすくなる』という部分は、『お酒とED』の問題と無関係ではありません。
お酒を飲めば、EDが改善する。だからお酒を飲んで、性行為に走る。しかし、そもそもお酒自体に、あらゆるデメリットがあります。適量で抑える自制心があるかどうかもわからない。ですから、お酒というものは、よほど自制心に自信がない限り、控えた方がいいでしょう。それが原則的に、公に話せる話なのです。
アルコールは下記の記事に書いたように、
- ED
- 薄毛
- 体臭
- うつ病
それに、癌などの重い病気や、生活習慣病など、様々な問題を引き起こす原因となります。飲むなら覚悟を決めて飲む必要がありますね。
馬並師匠
さる
- 基本的にはお酒は控えたい。