高血圧はEDの原因?
血圧が高くなると動脈硬化になりやすくなります。EDはある種、『ペニスの動脈硬化』と言えますので、高血圧とEDは密接に関係しています。
馬並師匠
さる
高血圧とEDの関係性
ASO(閉塞性動脈硬化症)や心不全、高血圧等の動脈硬化は、血流が悪くなる病気です。血流が悪くなれば、男性器に血流が流れにくくなり、勃起出来ないということです。動脈硬化はたくさんあって、以下のようにそれぞれ名前がついています。
- 首や頭の血管で動脈硬化=脳梗塞、脳血栓
- 心臓の冠動脈が動脈硬化=狭心症、心筋梗塞
- 腎臓の動脈硬化=高血圧、腎不全
- 足の動脈硬化=ASO(閉塞性動脈硬化症)
また、下記の記事に書いたように、糖尿病にて血液中の糖が多くなると、血液の粘り気が強くなって血流が滞りやすくなったり、血糖が血液中のコレステロールと結びついて血管の壁につき、血管の内腔が狭くなります。
また、血管の壁がもろくなって出血しやすくなったりします。末端の細い血管ほど高血糖の影響が強く表れ、末端の細い血管が詰まるので、神経にも血液が通わなくなり、神経障害も進みます。そして、血管が細くなれば、血圧が高くなりやすく、動脈硬化にもなりやすくなるのです。
勃起の仕組みを見てみましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6※動脈血大量流入
- STEP.7勃起
という流れが勃起の仕組みなのです。従って、※の部分にあるように『血流がよい』ことは勃起の大前提。そして、『血流が悪い』のであれば、それはEDの原因となるわけですね。
『パンツの中の健康』にはこうあります。
<ASOのほとんどの患者さんがED>
(省略)驚いたことに、ASOのほとんどの患者さんがEDに陥っていることがわかりました。多くの患者さんはもう年だと思ってあきらめていたようです。
(中略)
ASOの患者さんだけでなく、心不全や高血圧の患者さんにも積極的に性生活のことを聞くようになりました。『心臓が悪い人はなぜ勃起が悪い人が多いんだろう?どうしたらいいのだろう』と考え続けました。
この専門家も、循環器系の病気を患う人に積極的に質問したところ、
よく質問してくれた!
と患者から下の悩みについて聞くことができたと言っています。
馬並師匠
さる
- 末端の細い血管ほど高血糖の影響が強く表れる。
- 血管が細くなれば血圧が高くなりやすく、動脈硬化にもなりやすくなる。
- ASOのほとんどの患者がED。
動脈で最も細いのはペニスの動脈
また、『心筋梗塞』『脳梗塞』といった動脈硬化とEDの関係性について書いた本もあります。
『ササっとわかる 男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)にはこうあります。
『心筋梗塞』『脳梗塞』とEDとの関係とは?
急性心筋梗塞を引き起こす動脈の太さは3㎜から4㎜、脳卒中を引き起こす動脈の太さは5㎜から7㎜です。それに対し、ペニスの動脈はわずか1㎜から2㎜ていどしかありません。したがって、動脈硬化の症状は、最初に最も細くデリケートなペニスの血管の変調、つまりEDとしてあらわれるのです。これがEDが『最もかかりやすい生活習慣病』である理由です。
- STEP.1ペニスの動脈1~2㎜
- STEP.2心臓近辺の動脈3~4㎜
- STEP.3脳近辺の動脈5~7㎜
といった具合に、動脈は大きくなっていきます。つまり、動脈で最も細いのはペニスの動脈です。動脈硬化が起きると、まず最初にこのペニスの血管の変調が起こります。つまり、『ED』ですね。この現象が先に起こるのです。そして、徐々にその他の動脈に派生します。
本には、その順番が『ペニス→心臓→脳』とは明記していませんが、最初にペニスの血管の変調があるということは断言しています。これだけ、高血圧や動脈硬化といった症状とEDとは密接に関係しているんですね。
ということは、こういうことが言えるわけです。『ササっとわかる 男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)にはこうあります。
ここから、次のような法則を導くことができます。すなわち、『脳卒中や心筋梗塞を患った人は、全員がEDである』。これは実は、極めて重要な法則です。なぜなら、逆に、EDに早い段階で気づいて、治療しておけば、脳卒中や心筋梗塞を予防することができるからです。つまりEDは、単に『勃起しにくい病気』というだけでなく、男性の身体の変化を教えてくれるシグナルでもあるのです。
つまり、最初にEDという現象が起きれば、その後に脳卒中や心筋梗塞を患う可能性が出てくるわけですから、EDになった時点で対策をすれば、脳卒中や心筋梗塞といった死に繋がるような重い病気を未然に防ぐことができる可能性があるのです。
- STEP.1EDは最初に症状が現れる生活習慣病である
- STEP.2脳卒中や心筋梗塞を患った人は全員がEDである
- STEP.3EDに早い段階で気づいて、治療しておけば、脳卒中や心筋梗塞を予防することができる
もちろんEDも人によっては重い病気です。しかし、命に係わるような部位が病気になるよりはまだマシですからね。下記の記事では、『優先順位』について書きましたので、併せてご確認ください。
- ED
- 脳卒中
- 心筋梗塞
これらの問題は全て血管が関係していて、それが『硬化』、つまり『動脈硬化』することが原因で患うわけですが、常日頃からそうならないように生活習慣の最適化をする。そして、EDになってしまったら、次に続く重い病気を未然に防ぐために、その時点で真剣になって対処する。こういう考え方が必要ですね。
馬並師匠
さる
- 動脈硬化の症状は、最初に最も細くデリケートなペニスの血管の変調、つまりEDとしてあらわれる。
- EDに早い段階で気づいて治療すれば、脳卒中や心筋梗塞を予防することができる。
EDにならないようにするための予防
EDにならないようにするための予防については、下記の記事に書きました。運動や食事などの基礎的な要素の最適化についても書いています。
また、その血管の最適化ですが、実はED治療薬を服用することによってもいい効果を得られるというエビデンスがあります。
『男性機能の「真実」』にはこうあります。
ED治療薬で血管の若返りを
(省略)ED治療薬を長く服用していると本当に血管が若返ります。次のような興味深いデータがあります。ED治療薬を2日に1回、1か月間飲んだ人は、飲まない人に比べて明らかに血管拡張反応がよくなったのです【Rosano GM, et al., 2005】
血管の若さを測定する検査法、血流依存性血管拡張反応検査といいますが、超音波で血管の拡張具合を見る簡単な検査で判明した事実です。血管の収縮や拡張を調節する血管内皮の働きがよくなったという証拠です。ED治療薬で血管内皮の働きを良くすることができます。
ED治療薬を2日に1回、1か月間飲む、とういのもなかなかの状況ですが、しかしこうした事実が存在しているんですね。ED治療薬で血管内皮の働きを良くすることができるわけです。そしてそれにより、心血管系の病気を予防することができるというのです。
『男性機能の「真実」』にはこうあります。
さらにそれを裏付ける証拠として、ED患者にもED治療薬を2日1回飲んでもらうと、動脈硬化などで傷んだ血管内皮を修復する血管内皮前駆細胞が増加することもわかりました【Foresta C, 2006】。
私どもの研究においても、ED治療薬の低用量のものを連日投与した患者さんで、実際に血管拡張反応がよくなっています【Fukumoto K, et al., 2017】。血管年齢も3か月で平均3.7歳、血管が若返ったというデータを刃票しています【福元和彦 他,2016】。素晴らしい効果ですね。
血管内皮前駆細胞と脳卒中、心筋梗塞など心血管系の病気の死亡率を調査すると、血管内皮前駆細胞が少ない人ほど明らかに死亡率が高いことがわかっています【Werner N, et al., 2005】。
以上より、ED治療薬を飲むと心血管系の病気を予防できる可能性があるという結論に達します。ED治療薬は血管を若返らせるアンチエイジング作用があるということです。ED治療薬には、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系の病気を予防する効果を期待できるんですね。
こう考えると、ますます『EDになった段階でED治療薬を用いてEDを治療する』ということの重要性が強化されました。EDを放っておくとそれらの心血管系の病気を患う可能性があるわけですからね。ですからEDの段階でED治療薬を用いてED対策をすれば、それが血管系にいい影響を与え、心血管系の病気を未然に防いでくれるわけです。
もちろん、まずはEDにならないように、先ほどの記事を見ながら日々の生活の最適化をすることが重要です。しかしそれでもEDになってしまうのであれば、ED治療薬を用いて治療してもいいのです。ED治療薬は思っているほど悪い薬ではありませんからね。
馬並師匠
さる
- ED治療薬を長く服用していると血管が若返る。
- 血管内皮前駆細胞が少ない人ほど明らかに死亡率が高い。
バイアグラの長期服用のデメリット
ただし、下記の本では『バイアグラの長期服用は酵素を浪費し、自然治癒力や免疫力を低下させる』ということについて主張しています。
また、心配な方は以下にその副作用等についてまとめましたので、併せてご確認ください。
馬並師匠
さる
- バイアグラの長期服用は酵素を浪費し、自然治癒力や免疫力を低下させる。
EDを放置する危険性
それから、『EDを放置する』ということで考えると、次のような観点からもリスクが考えられます。女性版のED『FSD』ですね。EDとなり、セックスレスが続いて、単身赴任になった夫が、久しぶりに返ってきて妻を求めたときの話です。
『ニッポン男子の下半身が危機的なことに気づいたワタシ (扶桑社新書)』にはこうあります。
EDを放置しすぎると、治ったときにはもう手遅れ
(省略)そして帰国後、夫は海外でリフレッシュしたのか、赴任前よりすっかり元気になっており、さっそく私を求めてきました。実に1年半ぶりのセックスです。夫婦として当然だと思い、私も受け入れようとしましたが、結果は失敗に終わりました。
どうしても気分が乗らず、何をされても一向に濡れないのです。一応、挿入は試みましたが、濡れていないので痛くて入りません。私のつらそうな様子を見て、夫も断念してくれました。
それから3か月、相変わらずセックスはしていません。夫がアプローチしてくれてもまったく性欲がわいてこないんです。私のそんな様子が伝わったのか、夫のほうも何もしてこなくなりました。セックスをしたくないのでこの状況に不満はありませんが、まだ子供のいない私たち。夫婦としてこのままでいいのかと心配になります。
EDとなればセックスレスとなります。もし自分にパートナーがいる場合は、そのパートナーとの関係が破滅してしまう可能性や、女性の方にFSDを煩わせる可能性があります。つまり、『EDがFSDに連鎖する』んですね。
そうなってしまえば自分だけの問題ではなくなります。自分が解決したときには時すでに遅し。そういう状況もありえてしまうのです。ですから、EDはなるべく放置しないのが大切です。
むしろこの記事で、『EDの段階で対策をすることのメリット』を知ったはずですから、放っておかずに真剣に向き合い、最悪のケースを未然に防ぎましょう。
馬並師匠
さる
- EDを放置すると女性がFSDになり、最悪離婚に繋がる。