夜中にトイレの回数が多いのはEDである証拠?
たしかに、頻尿とEDには関係性があります。
テストステロンが少なくなると頻尿になるのですが、同時に性欲も減少します。また、脳梗塞等のリスクも上がり、NO(一酸化窒素)の出も悪くなります。それがEDと深く関係しているのです。
馬並師匠
さる
頻尿とED
夜間にトイレの回数が多いのはEDの疑いがあります。もちろんそれだけではありませんが、EDの疑いもあるということですね。尿というのは男性ホルモンが関係しています。
下記の記事に書いたように、
男性には男性ホルモンがあり、女性には女性ホルモンがあります。代表的なものは、
- 男性ホルモン=テストステロン
- 女性ホルモン=エストロゲン
ですね。その男性ホルモンであるテストステロンのはたらきとして挙げられるのは、
- 男性特有の筋肉質な体のラインにする
- 性欲を高める
- 皮脂の分泌を促す
- 体毛の発育を促す
ということ。ですから、性欲が強いということは気にすることではなく、男性である以上は男性ホルモンのテストステロンがあるわけですから、仕方ないことなのです。仕方ないというか、当たり前という感じですね。ごく当然のこととしてとらえるのが正解です。
- 男性特有の筋肉質な体のラインにする
- 性欲を高める
- 皮脂の分泌を促す
- 体毛の発育を促す
更に、男性ホルモンが少なくなると、
- EDになりやすい
- 不安・いらいら・不眠
- 集中力や記憶力の低下
- 性欲の減少
- 筋力の低下
- 疲労感
- 頻尿
といった諸症状が現れます。ここに『頻尿』と出てきましたね。したがって、男性ホルモンと尿というのは関係性があるのです。
馬並師匠
さる
- 男性ホルモンと頻尿は関係性がある。
加齢とともに男性ホルモンが減少する
『ササっとわかる 男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)にはこうあります。
『男性ホルモンが減少』すると『NOが減少』してEDとなる
勃起の機能を大きく作用する物質に、もうひとつ『テストステロン』があります。これは、一般に『男性ホルモン』と呼ばれているものです。男性ホルモンには、筋肉を増強する作用や、精神活動を活発にする作用がありますが、NOを供給して血管の健康を保つのも、男性ホルモンの重要な役割です。したがって、男性ホルモンが減ると、EDになりやすくなるのです。
男性ホルモンは、一般に加齢とともに減少していきます。また、ストレスが多くなると、脳から指令が出て、男性ホルモンの分泌が減ってしまうことも知られています。男性ホルモンが少なくなると、EDになりやすいだけではなく、不安、いらいら、不眠、集中力や記憶力の低下、性欲の現象、筋力低下、疲労感、頻尿といった諸症状をもたらします。最近では、ED治療の際に、ED治療薬と男性ホルモンの投与を併せて行うケースも増えています。
男性ホルモンが低下してしまうと様々な問題が起きますので、注意が必要ですね。その男性は、加齢とともに減少していくと記載してありますが、やはり、加齢によって男性ホルモンがなくなると、先ほど挙げたような諸症状が出てきますので、『おしっこが近い』という状態も起こりやすいでしょう。
メンズヘルスメディカル『男性更年期障害と男性ホルモン低下』にはこうあります。
参考 男性更年期を治療すべき理由男性更年期ならメンズヘルスメディカルEDだけじゃない?!更年期障害とホルモンの密接な関係
更年期障害といえば、一般的には女性の更年期障害のことイメージしますが、実は男性にも更年期障害があります。この男性の更年期障害は、「LOH症候群」ともいわれ、男性ホルモンである“テストステロン”が大きく影響しています。
人生で一番テストステロン値が高い時期は20代で、中高年になってくると男性ホルモンは徐々に減少します。一般的に男性ホルモンの減少というと性欲減退やEDなどと結びつけられるだけで、命に別状はないものと思われがちです。しかし、男性ホルモンは性的な部分だけではなく、精神にも多大な影響を及ぼしている要素で、減少の影響は思いもかけないところまで及びます。
たとえば、男性ホルモンが少ないと、やる気の減退やうつ症状、筋肉痛、心筋梗塞や脳梗塞リスクの上昇など更年期障害の症状としてあらわれ、一見テストステロン(男性ホルモン)と関係のないように思える身体のさまざまな不調とも密接に関わっていることが多いのです。
心筋梗塞や脳梗塞といったキーワードが出てきましたね。男性ホルモンが低下するとそういった心血管系の病気を引き起こす可能性が増え、それがまたEDの原因となります。その対処法について詳しくは下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
つまり、
- 加齢→男性ホルモン低下→頻尿になる
- 加齢→男性ホルモン低下→脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる→EDのリスクが上がる
- 加齢→男性ホルモン低下→NOの供給に問題が出る→EDのリスクが上がる
このような状況になるわけですね。男性ホルモンが低下すると、あまりいいことは起きないということになります。
- STEP.1加齢
- STEP.2男性ホルモン低下
- STEP.3頻尿、脳梗塞、心筋梗塞のリスク上昇NOの供給に問題
- STEP.4EDになる
馬並師匠
さる
- 加齢とともに男性ホルモンが減少する。
- 『男性ホルモンが減少』すると『NOが減少』してEDとなる。
睡眠不足でも男性ホルモンが低下してEDになる
また、睡眠不足でも男性ホルモンが低下してEDになるということを書きました。
通常、成長ホルモンやメラトニン、性ホルモンなどの重要なホルモンは、夜に眠ることでたくさん分泌されます。しかし、これを不規則にしてしまうと分泌される量が少なくなります。それによってEDのリスクも上がるということなんですね。
睡眠というのは下記の記事に書いたように、
- ニキビ
- 口臭
- 薄毛
- ワキガ
- うつ病
様々な問題に繋がっています。もちろん、免疫力にもつながっていますから、様々な病気にもつながっています。きちんとした睡眠を取り、男性ホルモンを守ることを意識しましょう。
それはもちろん女性も同じで、女性の場合、ストレスや睡眠不足によって女性ホルモンが低下します。それだけじゃなく、生理や妊娠などの女性ならではの現象によってもホルモンバランスが崩れてしまいます。
すると、それが原因で肌荒れや薄毛などの問題を引き起こします。イライラ、不安などの精神的な問題も引き起こします。男性も女性も、ホルモンバランスが崩れるということは大きな問題なんですね。
- 生理
- 妊娠
- 出産
- 更年期
- 閉経
馬並師匠
さる
- 睡眠不足でも男性ホルモンが低下してEDになる。
『LOH症候群』とは?
また、男性ホルモンが低下すると、『LOH症候群』にかかりやすくなります。『男性機能の「真実」』にはこうあります。
LOH症候群ってなに?
(省略)『男性更年期障害』といえばピンとくると思います。LOH症候群のLOHというのはLate Onset Hypogo-nadismで、直訳すると人生の後半に発生する性腺機能低下症という意味です。LOH症候群、日本語では加齢男性性腺機能低下症候群と呼びます。中高年期に男性ホルモンが低下してくることによって起きる症状を表した言葉がLOH症候群なのです。
LOH症候群は男性ホルモンのテストステロンが低下することで起きます。
- 骨粗鬆症
- 筋力低下
- 記憶力の低下
- 貧血
- メタボリック症候群
- 高血圧
- 糖尿病
- 下部尿路症状
- うつ症状
- 性欲低下
- 勃起傷害
ですね。ただ単にテストステロンが低下しただけよりも、このLOH症候群の方が少し重症であるという印象を受けますね。テストステロンが低下しただけでこのLOH症候群になるわけではなりませんが、もし諸症状が重症気味であれば、このLOH症候群を疑った方がいいということになります。
特にこのサイトで取り上げるテーマとしては、EDにもなりやすいということですから、見て見ぬふりはできませんね。テストステロンが低下する原因は、下記に書いたようにいくつかあります。
加齢 | 陰茎海綿体血管内皮障害、テストステロン低下 |
---|---|
喫煙 | 陰茎海綿体動脈の閉塞、血管障害 |
高血圧 | 血管内皮障害、血管障害 |
糖尿病 | 自律神経障害、血管内皮障害 |
高脂血症 | 陰茎深動脈アテローム性動脈硬化 |
肥満と運動不足 | テストステロン低下、動脈硬化 |
うつ症状 | 心因性要因 |
下部尿路症状/前立腺肥大症 | 交感神経過活動、骨盤内動脈虚血、NOS/NOの低下 |
慢性腎臓病 | 血流障害、神経障害、ホルモン異常、貧血など |
睡眠時無呼吸症候群 | 夜間酸素飽和度低下による陰茎海綿体障害 |
神経疾患 | 中枢、末梢神経障害 |
不妊症 | 心因性要因 |
薬剤 | 降圧剤、精神神経用薬、ホルモン剤など |
- 加齢
- 肥満・運動不足
ですね。また、特殊な例では、こういう事例があります。
『最後に読む育毛の本』にはこうあります。
男性ホルモンと薄毛の関係
(省略)薄毛に関する書籍や植毛関係の文献資料にもよくありますが、アメリカのハミルトン・ノーウッド医師の研究によると、思春期前に睾丸を去勢すると若年性脱毛症は起こらないそうです。脱毛症が進行中の人が睾丸を去勢したら薄毛の進行は止まり、この人に男性ホルモンのテストステロンを注射したら再び脱毛症が始まったといいます。
つまり、『睾丸を去勢する』と、テストステロンが低下するんですね。薄毛にはテストステロンが関係していますから、それで脱毛症が一時的に収まったのですが、テストステロンを注射すると、再び脱毛が始まったといいます。
『男性機能の「真実」』にはこうあります。
LOH症候群を克服しよう
(省略)しかし、このような症状が表れ始めたら泌尿器科を受診してテストステロンのレベルを測ってもらってください。テストステロンが低下している場合は、それを補充する治療を受けると、若々しい自分を取り戻すことができます。
EDの専門書にはこうありますが、薄毛の専門書には先ほどのようにあります。つまり、
- テストステロンが低下する=EDリスクが上がるが、薄毛が治る
- テストステロンを注射する=EDが治るが薄毛のリスクが上がる
ということです。究極の選択ですね。
馬並師匠
さる
- 『LOH症候群』とは男性ホルモンのテストステロンが低下すると起きる。
- 『睾丸を去勢する』と、テストステロンが低下する。
- テストステロンが低下する=EDリスクが上がるが、薄毛が治る。
- テストステロンを注射する=EDが治るが薄毛のリスクが上がる 。
下部尿路症状や前立腺肥大症はEDの危険因子
話をおしっこに戻しましょう。『男性機能の「真実」』にはこうあります。
EDとおしっこの意外な関係
(省略)ところが、そのおしっこもままらないという中高年男性が多いのです。おしっこも出にくくなったり、夜中に何度もトイレに起きたりと、EDだけでなくおしっこにも悩まされれば、本当にトホホな余生をおくることになってしまいます。
おしっこの異常を下部尿路症状と呼びます。(中略)実はこれも骨盤の血管の動脈硬化に関係があります。勃起させる動脈も膀胱や前立腺に栄養を運ぶ動脈も、内腸骨動脈という重要な動脈からわかれています。つまり、動脈硬化が進むと、EDになり、さらに膀胱も障害されておしっこが蓄められなくなったり、出にくくなったり、前立腺肥大症になったいるすわけです。
このような理由で、下部尿路症状や前立腺肥大症はEDの危険因子であると断言されています。おしっこがままらない男性はEDになりやすく、逆にEDの男性はおしっこに困る。
先ほどのLOH症候群の諸症状で、『下部尿路症状』というものが出てきましたが、ここでもそれが出てきましたね。この下部尿路症状こそが、『夜間に何度も行ってしまうトイレ』の現象なのです。
この下部尿路症状は、男性ホルモンの低下、あるいはLOH症候群が原因ですが、骨盤の血管の動脈硬化でも起こり得る症状なんですね。
加齢によるテストステロンの低下での下部尿路症状は仕方ないことです。しかし、動脈硬化は、日頃の生活習慣を最適化すればある程度未然に予防できます。夜間に3回以上おしっこに起きる男性はそうでない人に比べて、早死にするという報告があります【Asplund R., 1999, Nakagawa H, et al, 2010】。
頻尿の人は高血圧などの病気が多く、結果的に早死にするということですね。下記の記事を見て、しっかりとその対策を取るようにしましょう。
また、上記の記事に、『ED治療薬で血管内皮の働きを良くする』ということを書きましたが、ED治療薬には頻尿を改善する効果も期待できるようです。
『ササっとわかる 男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)にはこうあります
ED治療薬は頻尿も改善できる?
(省略)頻尿には2つの原因があります。ひとつが、交感神経の活性化です。試験の前や人前で話す直前など、緊張する場面で尿意をもよおすことがよくあるのは、緊張によって交感神経が活発に働いているからです。そして、頻尿のもうひとつの原因が、NOの減少です。
おわかりのように、頻尿の原因は実はEDと同じなのです。実際に、ED治療薬を服用することで頻尿が改善したという事例も数多く報告されていますし、シアリスを改良して排尿障害の改善薬として発売する計画も進んでいるようです。
頻尿の原因はEDと同じNOの減少ですから、そこに作用するED治療薬は、頻尿にも効果的なんですね。ED治療薬というのは、男性の心強い味方なのです。
ただし、下記の本では『バイアグラの長期服用は酵素を浪費し、自然治癒力や免疫力を低下させる』ということについて主張しています。
また、心配な方は以下にその副作用等についてまとめましたので、併せてご確認ください。
馬並師匠
さる
- 下部尿路症状や前立腺肥大症はEDの危険因子。
- 動脈硬化は、日頃の生活習慣を最適化すればある程度未然に予防できる。
- ED治療薬は頻尿も改善できる可能性がある。