20代でEDになる原因は?
というよりも、心因性EDのことを考えると若ければ若いほどなる可能性があります。精神的に未熟であれば、心をコントロールできません。それが原因で心因性EDとなるのです。
馬並師匠
さる
専門家たちはとっくのとうに若者でもEDになるという事実を知っている
20代でEDが増えている原因は、様々な要素が関係しているでしょう。まず下記の記事に書いたように、私の知人には10代でEDかつセックスレスだった人がいるわけですが、その時点でEDというものは年齢はあまり関係ないということがわかります。
EDの原因の割合は、
- 心因性=52%
- 器質性=48%
ですから、この心因性であった場合は特に年齢は関係ありません。むしろ下記の記事に書いたように、『
』という解釈もできるわけです。
『図解雑学 心の病と精神医学』(ナツメ社)にはこうあります。
EDの原因(危険因子)
(省略)加齢は、確かにEDを併発する大きな危険因子の一つです。しかし、EDは、加齢、つまり老化現象そのものを意味するものではありません。
(中略)EDには、このように様々な原因がありますが、有病率からすると、30代、40代ではむしろ心因性が多く、50代を過ぎると器質性が増えるようです。
器質性と心因性については以下の記事にまとめましたが、
要点をまとめると以下のようになります。
器質性EDの主な原因
- 1:高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化
- 2:脊髄損傷、多発性硬化症、前立腺や結腸など骨盤内の外科手術
- 3:腎疾患、肝疾患、ホルモンの病気
- 4:副作用としてEDを引き起こす薬物
- 5:喫煙、過度のアルコール摂取
- 6:自転車
心因性EDの主な原因
- 1:予期不安
- 2:不安発作
- 3:軽症うつ病
- 4:不妊治療
- 5:ターン・オフ
- 6:夫婦関係のストレス
心因性EDは心の問題です。心が熟達していればいるほどかかりづらいわけです。つまり、未熟であればあるほどかかりやすい。ということで、若い人の方が心因性EDにはなりやすいということなんですね。
ですから、10代だろうが20代だろうが関係なく、心が未熟であれば心因性EDになる。それだけじゃなく、リストカットもそうだし非行もそうだし、様々な『脇道に逸れる行為』に走りがちになりますね。
例えば少年院は、『矯正施設』です。刑務所と違って番号で呼ぶことはなく、名前で呼びます。そのあたりが刑務所と少年院の違いです。その理由の一つには、やはり対象者が未成年だということにあります。未成年は、精神未熟です。親や周りの環境が悪く、それに影響され、流されて犯罪を犯してしまったケースも多いのです。
ですから、ただ単に収監して時間と体力を奪うのではなく、『矯正』をするのです。歯の矯正をすると歯並びがよくなるように、考え方が歪んだ部分、間違った部分を矯正します。そのカリキュラムがそろっているのが少年院なのです。
精神未熟であれば人は脇道に逸れがちです。その逸れようとする歪んだ部分を矯正し、人としての王道を歩いてもらうようにする。麻薬依存症の更生施設もそうですが、そう考えると、矯正施設というのはとても立派な施設ですね。
ですから、『若い人になぜEDが増えている?』という疑問は、最初から知識不足です。専門家たちははるか以前から、若者でもEDになるという事実を知っているのです。
馬並師匠
さる
- 専門家たちはとっくのとうに若者でもEDになるという事実を知っている。
情報の正確性
そもそも『20代でEDが増えている』という情報はどこから湧いて出たのでしょうか。下記の記事に書いたように、
実際にはED患者数というのは概算でしかわかりません。高齢化社会になり、潜在的には1800万人いるともいわれますが、それも概算なわけです。正確な数字ではないんですね。全員にアンケートを取っていないのにわかるわけがありませんね。私もそんなアンケートを書いていませんし、検査も受けていません。
下記の記事に書いたように、
『ハゲジョが急増中』という考え方があります。それは、そんな言葉が最初から存在していなかったんだから、そのハゲジョが増えた、ということは、半分本当であり、しかし最初から若い女性でも薄毛に悩む事実はあったので、半分嘘ということになります。
ですから、こういう噂が広まっているということは、もしかしたら誰かがビジネスを展開させようとして、まずそういった『情報感染』をして、インフラ(基礎)を敷き、そしてプラシーボ効果(思い込みの効果)でEDにさせ、バイアグラの類似品かなにかを売って金儲けしようとしている、ということも考えられますね。
それは先ほどの記事で紹介した『「うつ」は病気か甘えか。 今どきの「うつ」を読み解くミステリ』にある、『抗うつ薬のバブル』について読めば、想像できる現実となっています。
馬並師匠
さる
- 情報は感染する。
2つのストレスが生み出すED
ただ、ハゲジョの記事でも書いたように、
- 食の欧米化による酸化ストレスの激増
- 技術発展による社会的ストレスの激増
という現実はあります。
- ファーストフード
- ジャンクフード
- インスタントフード
- スナック菓子
- スイーツ
- 焼肉
などを当たり前のものとするようになったのも、ここ数十年ですからね。これによって、
- 花粉症
- アトピー性皮膚炎
等のアレルギー症状が増えている事実もありますし、記事にも書いたように、薄毛現象が起きている事実もあります。そして、高脂肪食品を食べることで体内に内臓脂肪が増え、それが活性酸素を生み出し、『酸化ストレス』を生み出します。
すると、活性酸素が神経や血管の細胞を傷つけ、そこから十分なNOが出なくなり、EDとなるわけです。
- STEP.1体内の活性酸素が多くなる酸化ストレスが高くなる
- STEP.2活性酸素が神経や血管の細胞を傷つける
- STEP.3神経や血管から十分なNOが出なくなる
- STEP.4血管が拡張しづらくなる
- STEP.5血管に十分な血液が送り込まれなくなる
- STEP.6勃起しなくなる
また、技術発展による社会的ストレスもそうです。『SEのためのうつ回避マニュアル~壊れていくSE』にはこうあります。
IT業界からの相談が急増!
ここ数年、年を追うごとに相談室にカウンセリングを受けに来られる方の数が増えています。なかでもIT業界の割合が多くなってきています。相談に来たITエンジニアの話に耳を傾けていると、体調不良や人間関係という悩みの向こう側に、折り重なった様々な要因…例えば、過酷な3日間連続徹夜や、厳しい納期、非常に速いスピードで進歩する技術、職場の殺伐としたコミュニケーション、客先での常駐などが折り重なった『ストレスフル』な環境がみえてきます。
事実この本が出た後、IT業界の方の過労死、うつ病の現実がニュースで取りざたされ、問題になりました。現代の世は、常に過去と比べればすべてが発展しています。その中にテクノロジーの進化もあり、テレビも知らない100年前の人は、もはやそれがスマホでどこでも見れるこの時代は、まるで映画の世界そのものですよね。
しかしそうして目まぐるしく進歩していく技術の中で、それに何とか対応していこうと努力すると、人の心に無理が生じて、心がパンクすることがあります。いわゆる『テクノストレス』もそうですが、単純に電化製品と長く向き合っているだけで、人はストレスを負ってしまうものなのです。
- パソコン
- ゲーム
- スマホ
等、かつてはありえなかった電化製品から、知らぬ間にテクノストレスを負うのが当たり前になった現代。そういった社会的ストレスも、確実にEDの原因となるのです。そういう現実は確かにあります。
ですから、若者にEDが増えているという話は、あながち嘘でもないのです。今挙げたような電化製品にどっぷりと浸かることが多いのは、若者ですからね。2017年には、『スマホを長時間使用すると頭が悪くなる』という報告も出ています。また下記の記事に書いたように、
長時間スマホを使用すると、血流が悪くなり、
- 頭痛
- 腰痛
- 眼精疲労
- 薄毛
等の様々な問題を引き起こします。そうした血流不全が起きれば、血流が大きく影響するEDにも無関係とは言えなくなりますよね。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6動脈血大量流入
- STEP.7勃起
ペニスに血流が流れ込み、勃起するんですからね。このうちのどれか一つでも滞れば、EDという現象が起きるのです。
また、2018年にはこういうニュースも出ました。『朝日新聞 ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策』にはこうあります。
参考 ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策朝日新聞デジタルWHO関係者によると、18年5月の総会を経て、6月に公表を予定する最新版のICD―11で、「Gaming disorder」(ゲーム症・障害)を新たに盛り込む。17年末にトルコで開かれた依存症に関する会議で、最終草案を確認した。
最終草案では、ゲーム症・障害を「持続または反復するゲーム行動」と説明。ゲームをする衝動が止められない▽ゲームを最優先する▽問題が起きてもゲームを続ける▽個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる――を具体的な症状としている。診断に必要な症状の継続期間は「最低12カ月」。ただ特に幼少期は進行が早いとして、全ての症状にあてはまり、重症であれば、より短い期間でも依存症とみなす方針だ。
『ゲーム症・障害』と言われる新たな病気のジャンルが作られたのです。こういう現象が起きているのもここ最近の話で、それだけ若者の生活の中に、知らぬ間にテクノストレスが入り込み、そしてそれがあらゆる問題を引き起こし、EDの原因ともなっていると考えることはできるのです。
馬並師匠
さる
- 欧米化や技術発展のことを考えると、若者にEDが増えているという話はあながち嘘でもない。
変化する性衝動の矛先
また下記の記事に書いたように、『性衝動の矛先』の問題もありますね。
いつでもどこでも気軽に安価で安全にエロ動画が見れるようになったこの時代、若者は性衝動の矛先を、生身の女性に向ける機会が減りました。結婚率の低下の現実にも、こうした事実が関係しているということは、とても有力な一説だと考えることができます。
例えば、除菌グッズが出て、空気清浄機の性能が上がり、禁煙が常識となって、清潔さのレベルも上がった現実があります。そしてこれからもその方向性は強化されていくことになり、どんどん人の清潔レベルは向上していくでしょう。
しかし、実際には人はある程度の菌を体内に摂り入れた方がいい。例えば花粉症なら、花粉というアレルゲンから自分の身を遠ざけるのではなく、むしろ『舌下免疫療法』で考えられるように、花粉エキスを体内に取り込んだ方がいいのです。そうして免疫力をつけ、強化し、アレルゲンに負けないたくましい体になっていくのです。
次々にあらゆる方面で技術が進化する現代社会と未来社会。それは当然、大きなメリットが待ち受けていて、我々人間を今以上に楽しませてくれるでしょう。それ自体はワクワクする話です。しかし、その代償に払うものがある。そういう現実も同時に考えていく必要がありますね。
馬並師匠
さる
- 性衝動の矛先を生身の女性に向ける機会が減ったことはEDと無関係ではない。