EDは自然治療で治すのがいいの?
自然治療の解釈次第です。
それがもし『放っておけば治る』という考え方であれば、問題に発展する可能性があります。例えば、女性がFSDになり、セックスレスとなりそれが原因で離婚となる可能性があります。『薬を使わずに治す』という考え方であれば、確かにそれにこしたことはありません。しかし、ED治療薬は思っているほどデメリットがない優秀な薬なので、利用しても問題ないと言えます。
馬並師匠
さる
目次
EDを放っておくとどうなるか
EDを放っておくとどうなるかというと、ケースバイケースです。別にEDになってセックスレスになったからといって何も生活に支障がない場合もあります。例えば下記の記事に書いたように、
『ED 検査・診断・バイアグラによる治療の実際』(保険同人社)にはこうあります。
実際にはある程度の年齢になると、女性はもう勃起や挿入はどうでもよくて、手を繋いだで寝たり、抱き合ったりするだけで満足、ということもあるようです。そうした場合には、勃起だけを重要視する必要はないと思います。
EDになってしまったというだけで夫婦の仲が壊れると決まったわけではないのです。ただし、記事にも書いたように、ジェニファー・ロペスのような女性もいますし、若くしてセックスレスになると、それが理由で離婚にまで発展してしまうケースもあります。
そればかりはケースバイケースですね。世の中には色々な人がいます。不妊症に悩む女性もいます。性行為ができない人もいます。そういうことを考えたとき、別に男性がEDになったからといって、命にかかわるような問題に発展することはないという、一つの見解があるのが事実です。
ただし、EDの原因の割合は、
- 心因性=52%
- 器質性=48%
です。そのうち、心因性EDであれば今言ったように放置しておいても問題がない場合があります。
馬並師匠
さる
- EDを放っておくとどうなるかといいうのはケースバイケース。
器質性EDの場合は放置するとまずい
ただ、器質性EDであった場合は少し違ってきます。それでは、それぞれの主な原因を見てみましょう。
器質性EDの主な原因
- 1:高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化
- 2:脊髄損傷、多発性硬化症、前立腺や結腸など骨盤内の外科手術
- 3:腎疾患、肝疾患、ホルモンの病気
- 4:副作用としてEDを引き起こす薬物
- 5:喫煙、過度のアルコール摂取
- 6:自転車
心因性EDの主な原因
- 1:予期不安
- 2:不安発作
- 3:軽症うつ病
- 4:不妊治療
- 5:ターン・オフ
- 6:夫婦関係のストレス
器質性EDの原因に、病気が目立ちますよね。つまり、もし病気によってEDになっていた場合は、『その状態』を放置してしまう=病気も放置するということになりかねませんので、場合によってはとても危険です。また下記の記事に書いたように、
- 加齢→男性ホルモン低下→頻尿になる
- 加齢→男性ホルモン低下→脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる→EDのリスクが上がる
- 加齢→男性ホルモン低下→NOの供給に問題が出る→EDのリスクが上がる
- STEP.1加齢
- STEP.2男性ホルモン低下
- STEP.3頻尿、脳梗塞、心筋梗塞のリスク上昇NOの供給に問題
- STEP.4EDになる
という流れがあります。加齢によって男性更年期障害(LOH症候群)になると、男性ホルモンが低下します。すると様々な問題を引き起こし、例えばNO(一酸化窒素)の放出が滞り、EDとなります。勃起の仕組みを見てみましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6勃起
という流れが勃起の仕組みですから、男性更年期障害でNOが出ないとなると、EDになってしまうわけです。ですから、もしEDだった場合、『同時に男性更年期障害でもある』可能性があるので、放っておくと様々な問題を引き起こしてしまいます。
馬並師匠
さる
- 器質性EDの場合は放置するとまずい。
男性更年期障害(LOH症候群)
『オトコの病気 新常識』にはこうあります。
男性ホルモン低下は高血圧や糖尿病など『万病のもと』
(省略)最近では、男性ホルモンの低下が高血圧や動脈硬化、糖尿病などのメタボリックシンドロームの発症にかなり密接な関係があることも明らかになっている。男性ホルモンが低下することで内臓脂肪がつきやすくなるためだ。また、心筋梗塞や認知症、骨粗鬆症など、体のあらゆる部分の病気との関連も指摘されている。
つまり男性更年期障害を放っておくと、
- 自律神経失調症(疲労感、睡眠障害等)
- 精神神経症状(気力がない、寝起きが悪い等)
- 早期勃起の消失(性欲減退、ED等)
- 生活習慣病(高血圧、糖尿病、動脈硬化)
- 心筋梗塞や脳梗塞
- 認知症
- 骨粗鬆症
- メタボリックシンドローム
といった様々な問題を引き起こしてしまうんですね。
また下記の記事に書いたように、
動脈硬化の症状は、最初に最も細くデリケートなペニスの血管の変調、つまりEDとしてあらわれます。
- STEP.1ペニスの動脈1~2㎜
- STEP.2心臓近辺の動脈3~4㎜
- STEP.3脳近辺の動脈5~7㎜
ですから、最初にペニスの血管の変調があるんですね。だからそういう順番になります。動脈硬化の最初に、まず一番細くデリケートなペニスの血管が変調し、EDとなり、その後に心臓や脳の太い血管に変調があるということです。
つまり、EDを放っておくと、
- 様々な病気を放置することになる可能性がある
- 様々な病気を招く可能性がある
ということで、もしEDの原因が器質性EDだった場合は、そのままにしておくのは危険だと考えた方がいいでしょう。
馬並師匠
さる
- 動脈硬化の症状は、最初に最も細くデリケートなペニスの血管の変調、つまりEDとしてあらわれる。
EDは動脈硬化の指標
下記の記事に書いたように、
『パンツの中の健康』にはこうあります。
<EDは動脈硬化の指標>
血管の支障によるEDの最も大きな原因は、なんといても動脈硬化であり、その引き金になりやすいのは高脂血症、高血圧、糖尿病です。動脈硬化は血管の狭窄をともないます。つまり血管の内腔(血液が流れるスペース)が狭くなってしまうのです。勃起は大量の血液を、しかも一時に必要としますし、ペニスは上半身の末端です。どこかが詰まっていては、ペニスまでスムーズに血液を送ることはできません。
動脈硬化こそ勃起の最大の敵です。いや、動脈硬化は健康を損なう諸悪の根源と言ってもいいでしょう。動脈硬化が進めば、動脈が破れたり(くも膜下出血、大動脈瘤破裂等)、突然詰まったり(脳梗塞、心筋梗塞等)します。日本人の3大死因のうち脳血管疾患や心疾患も動脈硬化が原因ですから、今やガンより怖い病気ということになります。
動脈硬化が原因のEDは、そうしたいろいろな病気の最初のシグナルかもしれません。
ということなのです。
馬並師匠
さる
- EDは動脈硬化の指標。
FSDになる可能性も
また下記の記事に書いたように、
『ニッポン男子の下半身が危機的なことに気づいたワタシ (扶桑社新書)』にはこうあります。
EDを放置しすぎると、治ったときにはもう手遅れ
(省略)そして帰国後、夫は海外でリフレッシュしたのか、赴任前よりすっかり元気になっており、さっそく私を求めてきました。実に1年半ぶりのセックスです。夫婦として当然だと思い、私も受け入れようとしましたが、結果は失敗に終わりました。
どうしても気分が乗らず、何をされても一向に濡れないのです。一応、挿入は試みましたが、濡れていないので痛くて入りません。私のつらそうな様子を見て、夫も断念してくれました。
それから3か月、相変わらずセックスはしていません。夫がアプローチしてくれてもまったく性欲がわいてこないんです。私のそんな様子が伝わったのか、夫のほうも何もしてこなくなりました。セックスをしたくないのでこの状況に不満はありませんが、まだ子供のいない私たち。夫婦としてこのままでいいのかと心配になります。
EDを放置しすぎると、女性がFSDになる場合があります。女性版EDですね。FSDについては下記の記事に書きましたので併せてご確認ください。女性版EDですね。
下記の記事に書いたように、
『ニッポン男子の下半身が危機的なことに気づいたワタシ (扶桑社新書)』にはこうあります。
セックスレスは女性の”シモの悩み”を早める
(省略)やはり、男性のEDが治って性生活が復活したことで、女性のFSDも自然と治っていくというのが、理想の形です。セックスしない状態が続くと、女性はFSDに悩まされるだけでなく、骨盤の状態も悪くなります。咳やくしゃみなどをした拍子に尿が漏れてしまう腹圧性尿失禁、我慢できないほどの急な尿意に襲われる過活動膀胱、頻尿や残尿感だけでなく下腹部の痛みにも悩まされる間質性膀胱炎などの女性泌尿器科疾患、これらいわゆる”シモの悩み”が、セックスしていない人ほど早く表れてくるそうです。
セックスレスが続くと女性は、
- FSD
- 腹圧性尿失禁
- 過活動膀胱
- 女性泌尿器科疾患
等の様々な問題を引き起こす可能性があります。つまり、EDを放っておくと、
- 様々な病気を放置することになる可能性がある
- 様々な病気を招く可能性がある
- 女性がFSDになりそれが原因で離婚する可能性がある
ということになります。そういうデメリットが存在することも事実なんですね。
- FSD
- 腹圧性尿失禁
- 過活動膀胱
- 女性泌尿器科疾患
馬並師匠
さる
- EDを放置しすぎると女性の様々な下の悩みを引き起こす。
ED治療薬の有効性
そこでEDの治療を考えたいわけですが、まず最初に考えるべきなのはED治療薬です。下記の記事に書いたように、『硝酸剤との併用は絶対にNG』という事実はありますが、それさえ気を付ければ、ED治療薬は非常に優秀な薬です。
例えば主要3つのED治療薬が認可された年は以下の通りですが、
バイアグラ | 1999年 |
---|---|
レビトラ | 2004年 |
シアリス | 2007年 |
一番新しいシアリスでさえ、もう10年以上の時間が経っています。そしてバイアグラなら20年です。薬というのは、時間が経てば経つほど安全性が判明するものです。例えば、世界でもかなり審査が厳しいと言われる『FDA(アメリカ食品医薬局)』であっても、その食品や薬の有効性や安全性はチェックするものの、『10年後の実態』までは追わない現実があります。
ですから例えば、長期服用したときにどんな副作用が出るかとか、そこまではチェックしないのです。そう考えたとき、『食品や薬の長期服用によるリスク』という問題が浮上するわけですが、ED治療薬はすでに10年~20年の時間が経っていて、『硝酸剤との併用による事故』以外の問題は、ほとんど起きていないのです。
先ほどの記事にも書いたように、『血管拡張作用 があることから、むしろ体にいいとさえ言われています。ですから、EDと同時に様々な問題を予防・改善する効果も期待できるので、ぜひとも使用を考慮したいところです。
馬並師匠
さる
- ED治療薬の有効性を理解する。
ED治療薬を使わずに治療できるか
ただし、ED治療薬を使わずに治療する考え方もあります。
特にこの『酵素断食』という考え方は、『バイアグラの長期服用は酵素の浪費である』という考え方のもと、治療のメソッドを紹介してくれています。『EDの自然治療』というテーマで考えると、こういう風に『自然治癒の力を利用してEDを治療する』という角度でも考えることができますね。
たしかに一部の心因性EDは放置していても問題がない場合もあります。しかし、往々にしてEDになった場合はあまり放置せず、せめて原因がはっきりするまで真剣に向き合ってみることが推奨されますね。
馬並師匠
さる
- バイアグラの長期服用は酵素の浪費である。