アボカドは精力増強やED改善に効果的?
アボカドに多く含まれるオレイン酸は悪玉コレステロールであるLDLコレステロールだけを減らしてくれます。従って、動脈硬化や心筋梗塞の予防や治療にも効果的です。それがEDの予防と改善に大きく貢献しています。
馬並師匠
さる
アボカドとED
下記の記事に『EDに効く食事』、『精力増強に有効な栄養素』について書きましたが、今回は『アボカド』について特化して書いていきます。
『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
アボカド ビタミンや脂肪など栄養価が高い『森のバター』
たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを含み、栄養価が高いアボカド。とくに脂質は約19%ありますが、ほとんどが動脈硬化を防ぐ不飽和脂肪酸で、コレステロールの心配はありません。子供の成長期に欠かせないアミノ酸も含んでいます。
アボカドは『森のバター』と言われているほどビタミンや脂肪などの栄養価が高い食材です。しかし、脂肪と言っても体に悪い飽和脂肪酸ではなく、『不飽和脂肪酸』の方なので、安心して摂り入れることができます。
といっても、『飽和脂肪酸』の方が完全に悪であるということではなく、中にはいい働きをしてくれるものもあります。
公益財団法人日本食肉消費総合センター『飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、どこが違う?』にはこうあります。
誤解されているのが「飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸はコレステロールを減らす」ということ。脂肪酸の研究が進むにつれ、飽和脂肪酸にも牛肉に含まれるステアリン酸のようにHDLの働きを促し、LDLを減らすものが見つかっています。また牛肉や豚肉、オリーブ油などに多い一価不飽和脂肪酸のオレイン酸には、多価不飽和脂肪酸のリノール酸と同じようにコレステロール降下作用があることが判明。オレイン酸は飽和脂肪酸のステアリン酸からも体内合成できます。
ですから、『飽和脂肪酸だからコレステロールが溜まり、動脈硬化になる』というわけでもないんですね。ただ、それでも不飽和脂肪酸は身体にいいことは事実です。アボカドに多く含まれているのは『オレイン酸』という不飽和脂肪酸ですが、その効果について詳しく調べてみましょう。
馬並師匠
さる
- アボカドは『森のバター』と言われているほどビタミンや脂肪などの栄養価が高い食材。
- しかし、脂肪と言っても体に悪い飽和脂肪酸ではなく、『不飽和脂肪酸』の方なので、安心して摂り入れることができる。
- 『飽和脂肪酸だからコレステロールが溜まり動脈硬化になる』というわけでもない。
オレイン酸(不飽和脂肪酸)
『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
オレイン酸 酸化しにくく、がんや動脈硬化を防ぐ
不飽和脂肪酸にはコレステロールを減らす作用があるのですが、酸化しやすいという欠点があります。酸化すると過酸化脂質になり、細胞内のDNAを傷つけるため、がんの原因になります。しかし、オレイン酸は最も安定した脂肪酸で、過酸化脂質をつくりにくい、というすぐれた性質を持っています。
(中略)また、リノール酸のようにHDLコレステロールを減らすことはなく、LDLコレステロールだけを減らすので、動脈硬化や心筋梗塞の予防や治療に大きな力を発揮します。
オレイン酸は不飽和脂肪酸の中でも最も安定した脂肪酸で、過酸化脂質を作りにくいという優れた性質を持っているんですね。また、リノール酸は善玉コレステロールであるHDLコレステロールを減らしてしまうデメリットがあるのですが、オレイン酸は悪玉コレステロールであるLDLコレステロールだけを減らしてくれます。
従って、動脈硬化や心筋梗塞の予防や治療にも効果的なんですね。
先ほど、『飽和脂肪酸がコレステロールを増やす』という原則的な考え方に対し、『いや、牛肉に含まれるステアリン酸のようにHDLの働きを促し、LDLを減らすものが見つかっています。』という文献からの引用がありましたが、しかし基本的にはこのようにして、
- 飽和脂肪酸=LDL(悪玉)コレステロールを増やす
- 不飽和脂肪酸=LDL(悪玉)コレステロールを減らす
という動きがあります。従って、
- 飽和脂肪酸=悪い脂肪酸
- 不飽和脂肪酸=いい脂肪酸
というイメージがついているんですね。厳密に見ればそうでない場合もあるのですが、大雑把に言うとそうなっています。ですから、あまり肉や乳製品ばかり食べていると体に悪い、ということは事実なんですね。
馬並師匠
さる
- オレイン酸は酸化しにくく、がんや動脈硬化を防ぐ。
- HDLコレステロールを減らすことはなく、LDLコレステロールだけを減らすので、動脈硬化や心筋梗塞の予防や治療に役立つ。
特殊な例『イヌイットの人々の生活』
ただし中には例外があって、下記の記事に書いたようなイヌイットの人々は、朝昼晩ほぼ肉食だけに徹し、摂取するカロリーの約7割を脂質からえているのにも関わらず、とても健康的なのです。
しかし、実はイヌイットの人々は動物の、
- 肉
- 内臓
- 骨
- 脳
- 血
そのすべてを食べるのです。ですから、脳や肝臓、あるいは骨に含まれているビタミンをしっかりと摂取していて、血も飲み干します。ビタミンA、E、そしてB群のすべてが肉には豊富に含まれているので、とても健康でいられるのです。
ですから、肉食をするならこれくらい徹する覚悟が必要だということですね。そうじゃなければ、その記事に書いたように逆に『老化現象』などの弊害に向き合わされることになります。
馬並師匠
さる
- 肉食をするならイヌイットの人々くらいに徹する覚悟が必要。
LDL(悪玉)コレステロールを減らせばEDにも効く
さて、もう一度『あたらしい栄養事典』を見てみましょう。
体内でのおもな働き
動脈硬化や糖尿病などの予防にも効果が期待できます。
このアボカドに含まれるオレイン酸(不飽和脂肪酸)の力で、LDL(悪玉)コレステロールだけを減らすことができるので、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 糖尿病
などの予防・改善に有効だと出てきましたね。実はこれが『EDの予防・改善に有効』である証拠なんですね。下記の記事に書いたように、これらの病気はすべてEDの原因です。
そもそも、この『心筋梗塞』自体が『動脈硬化の一種』として数えます。動脈硬化にはいろいろあって、
- 首や頭の血管で動脈硬化=脳梗塞、脳血栓
- 心臓の冠動脈が動脈硬化=狭心症、心筋梗塞
- 腎臓の動脈硬化=高血圧、腎不全
- 足の動脈硬化=ASO(閉塞性動脈硬化症)
となっていますが、これらは全て『血管の不調』が原因なわけです。動脈硬化の症状は、最初に最も細くデリケートなペニスの血管の変調、つまりEDとしてあらわれます。
- STEP.1ペニスの動脈1~2㎜
- STEP.2心臓近辺の動脈3~4㎜
- STEP.3脳近辺の動脈5~7㎜
ですから、ペニス→心臓→脳、という順番で順番に血管に変調が起きるようになってきます。つまり、EDはある種の動脈硬化なんですね。ですから先ほどの項目に、
- ペニスの動脈硬化=ED(勃起不全)
と加えてもいいかもしれません。
アボカドに含まれる不飽和脂肪酸のオレイン酸は、LDLコレステロールだけを減らす働きをしてくれるので、血液がドロドロになるのを防いでくれるのです。そして結果的に、ここで挙げたような『血管の不調』問題を予防・改善してくれるんですね。
馬並師匠
さる
- LDL(悪玉)コレステロールを減らせばEDにも効く。
アボカドの主な栄養成分
では更にここで、『カロリーSlism』で『アボカドの栄養素』を検索し、最も目立つ栄養素をピックアップして掲載しましょう。
ビタミンE | 4.62mg |
---|---|
ビタミンB2 | 0.29mg |
ビタミンB6 | 0.45mg |
葉酸 | 117.6ug |
パントテン酸 | 2.31mg |
カリウム | 1008mg |
銅 | 0.34mg |
これがアボカドの中で目立つ栄養素です。このうち、EDや精力増強というテーマで注目するべきなのは、
- ビタミンE
- カリウム
ですね。ビタミンEは、抗酸化作用のある栄養素です。下記の記事に書いたように、抗酸化作用があれば、活性酸素から体内を守ることができます。
活性酸素からの攻撃は『酸化ストレス』と言いますが、その酸化ストレスもEDの原因となるのです。
- STEP.1体内の活性酸素が多くなる酸化ストレスが高くなる
- STEP.2活性酸素が神経や血管の細胞を傷つける
- STEP.3神経や血管から十分なNOが出なくなる
- STEP.4血管が拡張しづらくなる
- STEP.5血管に十分な血液が送り込まれなくなる
- STEP.6勃起しなくなる
勃起の仕組みを見てみましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6勃起
という流れが勃起の仕組みなのです。酸化ストレスによってNOの出が悪くなれば、この勃起の仕組みを見てわかるように、EDとなってしまいますね。ビタミンEの持つ抗酸化作用があれば、この酸化ストレスを解消する効果が期待できるわけです。
また、なんといっても『カリウム』です。アボカドのカリウム含有量はずば抜けています。ではまずカリウムの働きについてみてみましょう。
『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
カリウム 余分なナトリウムを排出して血圧を下げる
私たちの体内では細胞内にカリウム、細胞外にナトリウムが多く存在し、細胞内外の濃度差は約30倍に保たれています。カリウムは血液中にも存在しており、食塩の摂取が多いと、細胞外のナトリウムが増え、細胞内のカリウムとバランスをとるため、血漿量が増加し、高血圧の原因となります。
つまり、食塩(ナトリウム)の摂取量が多くなると、高血圧になります。カリウムはその余分なナトリウムを体外に排出して血圧を下げ、それを予防・改善する働きをしてくれます。先ほども記事を張りましたが、高血圧はEDの原因でしたよね。
従って、このカリウムの面でもアボカドは、高血圧などの『血管の不調』に対して働きかけてくれるのです。そして、アボカドに含まれるこのカリウム含有量を他の果物と比べてみてみましょう。
果物に含まれるカリウム目安量(可食部量mg)
リンゴ中1個 | 234 |
---|---|
ネーブルオレンジ1個 | 293 |
いちご20粒 | 520 |
バナナ1本 | 324 |
桃1個 | 306 |
グレープフルーツ1個 | 294 |
すいか1切れ | 288 |
露地メロン1/2個 | 483 |
アボカド1/2個 | 630 |
圧倒的1位ですね。まさにアボカドは、
- オレイン酸(不飽和脂肪酸)
- カリウム
といった『血管メンテナンス栄養』を持った、ED予防・改善食材ということになるのです。最後に、レシピの例を載せておきます。
『10分で1食レシピ「チキンとアボカドのサラダディッシュ」を緑川鮎香さん(アボカド料理研究家・管理栄養士)が実演!』
馬並師匠
さる
- ビタミンEの抗酸化作用がEDの予防と改善に役立つ。
- カリウムがナトリウムとのバランスを整え、高血圧を予防し、EDの予防と改善に役立つ。