ベジタリアンや野菜中心の食事はEDの原因になる?
肉を食べれば性欲が上がるということではありませんが、ベジタリアン的な食事生活になると、どうしてもたんぱく源を大豆から摂ることが増えます。
すると、大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つことから、男性ホルモンのテストステロンが劣位になり、精力減退につながる可能性もあります。
しかし、野菜や果物はたくさん摂った方がいいと断言できます。その他の恩恵があまりにも大きいからです。
馬並師匠
さる
ベジタリアンのデメリット
野菜中心の生活を送る、いわゆる『ベジタリアン』の人がEDになりがちであるという話がありますが、本当でしょうか。確かに、ベジタリアンとなればかなり『省エネ』な生活を送ることになりますから、それは『絶倫』とは真逆の方向であり、そのような生活習慣を送っていれば精力減退の現象が起きても仕方ないかもしれません。
例えば下記の記事には、『サルコペニアやフレイルを予防する為にたんぱく質を摂ろう』と書きました。
ですね。その予防と対策には、肉・魚・卵などからたんぱく質を摂取することが必要不可欠になるわけです。しかし、ベジタリアンはそれができませんよね。それを考えただけでも、原則的にベジタリアンの省エネ人生は、たとえ長生きができたとしても、活発な生き方をすることはできないという事実が浮き彫りになります。
もちろん、だからといってそれらを食べまくればいいということではありません。『奇跡が起こる半日『断食―朝食抜きで、高血圧、糖尿病、肝炎、腎炎、アトピー、リウマチがぞくぞく治っている!』にはこうあります。
断食は世界最高の健康法
断食をすると、体の余分な水分や脂肪が取れ、肥満が解消し、引き締まった体になります。ダイエットにも最適です。実際、半日断食を実行して、体がスリムになった人はたくさんいます。
しかし、断食は単なる肥満解消、ダイエットの手立てにとどまるものではありません。本来は、病気は不健康な体を根本から治す治療手段なのです。不快な症状が解消して体調がよくなり、疲れも少なくなって、スタミナがつき、病気になりにくい体になります。現代医学で治療がむつかしい難病が改善することもけっしてめずらしくありません。
断食は、病気にならないための世界最高の健康法であると、私は確信しています。
むしろ、『食べない』という選択肢によって体調をよくする療法は存在していて、力道山なども断食をして試合に臨んだといいますから、『エネルギッシュな人生』に必ずしも肉や魚が必要不可欠ということでもないようです。
それに、下記の記事に書いたように『酵素の無駄遣い』という考え方でも、それは証明されます。
酵素は車で言うところの『バッテリー』ですから、そのバッテリーの無駄遣いをすると体の至る所に不調が出て、もちろん男性機能にも影響が出ます。ですからあまり暴飲暴食をしたり、あるいは薬物などの有害物質を過剰摂取し、酵素を無駄遣いしないようんしたいんですね。この考え方では、ED治療薬でさえも長期服用は『酵素の無駄遣い』として警鐘を鳴らしています。
馬並師匠
さる
- サルコペニアやフレイルの予防と対策には、肉・魚・卵などからたんぱく質を摂取することが必要不可欠。
- ED治療薬でさえも長期服用は『酵素の無駄遣い』。
リーキガット症候群
また更に、過剰な肉食においては下記の記事に書いたように『リーキガット症候群』の問題も出てきます。
リーキガット症候群になると、悪玉菌が出すアルカリ性物質によって腸の粘膜が溶けてしまいます。これが、ドロドロ血液の原因となり、微小循環を悪化させて男性機能を低下させる元になるんですね。勃起の仕組みを見てみましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6動脈血大量流入
- STEP.7勃起
という流れが勃起の仕組みですから、血液がドロドロになるということは、EDのリスクが高まるということなのです。
また、先ほどの『肉、卵』の記事にコレステロールについて書きましたが、そのような動物性たんぱく質は、確かにコレステロールを増やす原因となります。それも、LDL(悪玉)コレステロールの方ですね。HDL(善玉)コレステロールならいいのですが、LDLの方を増やすと、これまた血液がドロドロになる原因となります。
馬並師匠
さる
- リーキガット症候群になると男性機能が低下する。
コレステロールはテストステロンの原料
しかし、このコレステロールはある程度存在する方がいいのです。大東製薬工業株式会社『テストステロンについて』にはこうあります。
参考 テストステロンについて大東製薬工業株式会社体のどこで作られて、どのように分泌していますか?
男性の場合、約95%が睾丸(精巣)の中で、残る5%が副腎で合成され、分泌されていると言われています。テストステロンの原料はコレステロールで、体内で複雑なプロセスを経てテストステロンに生合成されています。
(中略)先述の通り、体内で産生するテストステロンの原料はコレステロールですから、先ずはコレステロール不足にならないように、バランスの良い栄養摂取が必要です。もちろん、コレステロールの過剰摂取は問題がありますから、ご注意ください。
- コレステロールの過剰摂取は問題がある
- コレステロールがなければテストステロンが生成されない
という2つのキーワードが出てきました。コレステロールは、
- HDL(善玉)コレステロール
- LDL(悪玉)コレステロール
とありますが、これはバランスよく保たれていることが大事です。ですから、コレステロールをあまりとらなさすぎるのも、テストステロンの面から見て問題があります。
大東製薬工業株式会社のページにはこう続きます。
逆に、極端なダイエットや菜食主義のために、結果的にコレステロールの摂取が不足すると、原料不足でテストステロンの分泌が不足してしまう恐れがあります。卵を食べ過ぎてコレステロールの過剰摂取になることを心配する声がありますが、近年の栄養学的な知見からは、それほど心配しなくても良さそうです。少なくとも、摂取不足にともなうリスクの方が大きいのではないでしょうか。
テストステロンのはたらきとして挙げられるのは、
- 男性特有の筋肉質な体のラインにする
- 性欲を高める
- 皮脂の分泌を促す
- 体毛の発育を促す
ですから、コレステロールが足りないとテストステロンの量に問題が出て、性欲減退につながる可能性があるということなんですね。
- 男性特有の筋肉質な体のラインにする
- 性欲を高める
- 皮脂の分泌を促す
- 体毛の発育を促す
馬並師匠
さる
- コレステロールはテストステロンの原料。
- 卵のコレステロール過剰摂取はそれほど心配ない。
生活習慣病の原因はほとんどが野菜不足
ただ、野菜ほど人間の体をメンテナンスしてくれる食材もありませんからね。生活習慣病の原因はほとんどが野菜不足であり、高脂肪・高カロリー食品の過剰摂取や暴飲暴食、運動不足に原因がありますから、食事の面でそのように野菜を優先的に食べることは間違っていません。
生活習慣病はEDの原因ですからね。LDL(悪玉)コレステロールを増やして血液をドロドロにする肉類などの動物性のたんぱく質よりも、大豆などの植物性たんぱく質や、野菜などにでHDL(善玉)コレステロールを増やした方が血液がサラサラになり、生活習慣病やEDを予防・改善してくれます。
そう考えると、結論としては『全ての食材をバランスよく食べる』ことが理想的だと言えそうですね。肉だけでもダメ。野菜だけでもダメ。こと『精力増強』というテーマで考える場合は、なるべく多くの食材をバランスよく摂取することがポイントになります。
馬並師匠
さる
- 生活習慣病の原因はほとんどが野菜不足。
- 生活習慣病はEDの原因。
- こと『精力増強』というテーマで考える場合は、なるべく多くの食材をバランスよく摂取することがポイント。
肉食はNG?
例えば下記の記事には、
- 牡蠣
- ウナギ
- 納豆
- ヤマイモ
- オクラ
- ニンニク
- ニラ
等について書きました。
牡蠣とウナギ以外は全て野菜ですから、野菜だけでも十分下半身の強化はできます。しかし、牡蠣やウナギに含まれる亜鉛やビタミンB1は精力増強、疲労回復に役立ちますし、肉類に含まれるたんぱく質は、サルコペニアやフレイルといった問題を予防・改善してくれますし、ある程度のコレステロールによってテストステロンの原料となりますから、性欲増強に繋がります。
やはり、テーマが精力増強である以上は『野菜だけ』の生活では物足りないでしょう。これは余談ですが、『肉だけ』の生活を送るイヌイットの人々は、従来の人間の健康の常識を破る、特殊なケースです。
上記の記事に書きましたが、イヌイットの人々は朝昼晩と、肉食に徹します。普通なら先ほど出たリーキガット症候群もそうですし、その食生活は様々な問題を引き起こす原因となりますが、彼らの場合は、むしろ肉をあまり食べない人よりも健康なのです。
しかし事実は断片的ではなく、正確に理解することが重要で、実はイヌイットの人々は動物の、
- 肉
- 内臓
- 骨
- 脳
- 血
そのすべてを食べるのです。ですから、脳や肝臓、あるいは骨に含まれているビタミンをしっかりと摂取していて、血も飲み干します。ビタミンA、E、そしてB群のすべてが肉には豊富に含まれているので、とても健康でいられるのです。
肉食をするときは、ここまで徹することが必要となることがわかる話ですね。中途半端に美味しいサーロインなどだけを食べる生活を送ると、リーキガット症候群等の生活習慣病にかかる可能性があるのです。動物が持っている老廃物を摂りこんで、老化の原因ともなります。
馬並師匠
さる
- 肉食は徹底しないと実は足かせとなる。
結局は体質によって答えは変わるのかもしれない
ただ、だからといってサーロインステーキや脂身を切り捨てるとどうなるかということ、こういう事実があります。『科学でわかった正しい健康法』にはこうあります。
肉には栄養学的にすばらしい成分が満載されているのだから。”1960年代に食肉には飽和脂肪酸が含まれているから健康に悪いという説がでてからというもの、肉にはすべての必須アミノ酸、必須脂肪酸、そして必須ビタミン13種類のうち12種類が含まれているということを、栄養学者たちはたいてい指摘するのを控えてきた”と、世界でも指折りの肉擁護派の論客であるガリー・トーブスは書いている。
”なかでもビタミンAとビタミンE、そしてビタミンB群すべてが、肉には豊富に含まれている”
あなたは疑問に思うかもしれない。なるほどね。そのステーキばっかり食べてた人は、1年間はたしかに生き延びたんだろう。だけど実際はどうだったんだろう?病気にはならなかったの?
事実、彼は病気になった。肉の脂肪の部分をとりのぞいて食べたほうがいいという助言に従ったあと、具合が悪くなったのだ。だが幸い、『脂肪分の多いサーロインステーキとベーコンの脂で揚げた脳を食べたら、すぐに治ったんですって』と、タイショルツは言う。彼は82歳まで生きた。
肉類の飽和脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やして血液をドロドロにし、生活習慣病を引き起こしてEDとなる。これが原則的な考え方です。しかし、むしろこのようにして『肉を積極的にたくさん食べる』ことによって、健康になる事実があるんですね。脂肪分の多いサーロインとベーコンの脂で揚げた脳を食べると、健康になったというのです。
まったく、結論がまとまりませんね。肉食をしていいのか、悪いのか。その82歳まで生きた人のことをさも『長生きした』というように言っていますが、はるか数千年前に生きていた孔子、ソクラテス、ブッダなどは、大体それくらい生きましたからね。また、私の祖母は90歳でまだ生きていますから、それが長生きしているのかどうかも疑問です。
解釈の仕方、考え方、得られる効果や現れる結果は、人それぞれで違うかもしれません。原則的には、
- 精力を付けるなら野菜だけじゃなく肉も食べる
方がいいですし、体調を整えるなら、
- 野菜を摂ることは避けて通れない
わけです。アルコールを分解する酵素も人それぞれ所有量が違って、お酒に強い、弱いもひとそれぞれで違います。それと同じように、食事や栄養素も人によって微妙に効用が違うかもしれません。
自分の体調と相談しながら、色々な食事をしてみて、ここにある原則的な話と、そこで得られる感覚を頼りに、カスタマイズしていくのが一番効果的かもしれませんね。
馬並師匠
さる
- 結局の結論は、ケースバイケースとなる。