イソフラボンがEDの原因になるの?
確かに、女性ホルモンのエストロゲンと似た動きをする大豆イソフラボンの力で、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが劣位になり、EDになる可能性は否定できません。
馬並師匠
さる
イソフラボンって体にいいんじゃないの?
豆乳や大豆に含まれるイソフラボンがEDの原因になるという噂がありますが、それは本当でしょうか。たしかに過剰摂取により、精力が落ちたり、精子の力が減退したりする事実があるようです。
肉食よりも野菜を中心に食べることで、たんぱく質を大豆から摂取しようとすると、おのずと大豆を大量に食べます。すると、女性ホルモンと似た動きをする大豆イソフラボンの力で、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが劣位になり、そのような現象が起きるということです。有名なのは、
- 男性ホルモン=テストステロン
- 女性ホルモン=エストロゲン
ですね。そのテストステロンのはたらきとして挙げられるのは、
- 男性特有の筋肉質な体のラインにする
- 性欲を高める
- 皮脂の分泌を促す
- 体毛の発育を促す
ということですから、テストステロンが劣位になり、エストロゲンが優位になると『女性っぽさ』が目立つようになり、大豆を食べすぎると、それが男性だった場合、摂りすぎると女性乳房化といって胸が女性のように膨らんでしまう危険性もあります。
テストステロンの量は意外と性欲に重要なかかわりを持っている、という事実は下記の記事に書きましたので併せてご確認ください。
- 男性特有の筋肉質な体のラインにする
- 性欲を高める
- 皮脂の分泌を促す
- 体毛の発育を促す
馬並師匠
さる
- 大豆イソフラボンの過剰摂取でエストロゲンが優位になると、女性乳房化が起きる可能性がある。
大豆は本来スーパーフード
しかし本来大豆はスーパーフード。特に女性ならそのエストロゲンが増えることは願ったり叶ったりですから、積極的に食べていきたいのです。
- 1:女性と大豆の相性は抜群!
- 2:エストロゲン(女性ホルモン)とイソフラボンの関係性
- 3:AGAの原因であるジヒドロテストステロンの発症を抑制する?
- 4:抗酸化作用が髪の毛に良い影響を与える
- 5:バストアップ、冷え性、便秘の改善にも有効?
- 6:ポリフェノールで更に抗酸化作用を促す!
- 7:しかも大豆はグルテンフリーだ!
- 8:とどめはIGF-1という成長因子
- 9:ただし、過剰摂取は女性乳房化の原因
ぜひとも全ての記事を見て、大豆に関する知識を深めたいところですね。特に男性でも、亜鉛とイソフラボンが持つ『5α-リダクターゼを阻害する働き』や、『IGF-1(成長因子)を促進する働き)』、あるいは『抗酸化作用』に関しては期待できます。
テストステロンと5α-リダクターゼが結合してジヒドロテストステロンになり、AGA(男性型脱毛症)になりますし、IGF-1という成長因子が促進できれば、育毛効果を期待できます。そうした薄毛問題だけではなく、ポリフェノールが持つ抗酸化作用には、『酸化ストレス』を解消する効果を期待できます。
上記の記事に書いたように、EDの原因は2つのストレスです。
- 社会的ストレス
- 生物学的ストレス
ですね。そのうち、活性酸素からの攻撃を受けてNOの放出に問題を生じさせる『酸化ストレス(生物学的ストレス)』を、この大豆の持つポリフェノールによって解消する効果が期待できるのです。
馬並師匠
さる
- 大豆は本来スーパーフード。
- 大豆のポリフェノールの抗酸化作用はEDにも効果的。
大豆のポリフェノールはビタミンEよりEDに効く
記事にも書きましたが、ここでも一部を抜粋しましょう。『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール』にはこうあります。
抗酸化作用のある代表的なものはビタミン類やポリフェノール
抗酸化作用をもつ食品はいろいろとありますが、代表的なものはビタミン類とを含む食品です。なかでもビタミンA、C、Eは抗酸化作用が高いとされ、『ビタミンACE(エース)』と呼ばれています。ほかに、ポリフェノールやカロテノイドにも抗酸化作用があります。
美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)
実は大豆は『ビタミンA』だけは含有量が少ないのですが、この抗酸化作用だけを見てもそれ以外の栄養素で十二分にカバーしてますからね。つまり大豆は、
- ビタミンE
- 銅
- ポリフェノール
といった豊富な抗酸化作用を含んでいるわけです。これは男性にも嬉しい効果ですね。『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
強い高酸化力で活性酸素の打ち勝つ ポリフェノール
(省略)ポリフェノールはすべて、強力な抗酸化作用をもっており、活性酸素を除去して生活習慣病やがん、老化を防ぎます。その力はビタミンEよりも強く、細胞内でも細胞間でも細胞膜上でも、オールラウンドに働きます。
ビタミンEはビタミンの中で最も有名な抗酸化物質ですが、そのビタミンEよりも強力な抗酸化作用を持っているのがポリフェノールです。そしてこのポリフェノールには生活習慣病やがんなども防ぐと出てきましたね。
下記の記事に書いたように、
生活習慣病とEDとは密接に関係しています。つまり、ポリフェノールでこれらの病気を予防・改善することができれば、同時にEDも予防・改善することになるのです。
- 酸化ストレス(活性酸素の攻撃でNOの放出が悪くなる)
- 生活習慣病(動脈硬化によってペニスの血流が悪くなる)
といった問題を同時に解決するのですから、大豆に含まれるポリフェノールを筆頭とした抗酸化物質は、ED問題にとって非常に有効なのです。
念のためここでも勃起の仕組みを見てみましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3※NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6※動脈血大量流入
- STEP.7勃起
という流れが勃起の仕組みなのです。この※の部分ですね。NOの放出、血液流入、ここに問題が生じれば勃起はできませんからね。
つまり、確かに大豆には女性ホルモンのイソフラボンに似た働きがあって、女性は嬉しく、男性はあまり過剰摂取は好ましくないのですが、基本的には栄養豊富でヘルシー(健康的)のため、大豆は積極的に食べていきたいのです。
馬並師匠
さる
- 大豆のポリフェノールはビタミンEよりEDに効く。
どんな栄養素も過剰摂取は危険
- 豆乳
- 味噌
- 納豆
- 枝豆
- 豆腐
これらは全て大豆食品ですが、すべて体にいいですよね。『色の野菜の栄養事典』にはこうあります。
大豆
多くのたんぱく質を主成分とする大豆は、『畑の肉』と言われるほど。体内で十分に生成されない必須アミノ酸が、バランスよく含まれています。
『畑の肉』と言われるほどたんぱく質が豊富であり、必須アミノ酸が豊富に含まれる大豆は、ベジタリアンの人にとっては有難いたんぱく源ですからね。もちろんそのベジタリアンが、『精力旺盛』かどうかはまた別の問題です。
それから、男性のイソフラボン過剰摂取によるテストステロンの劣位で、性欲が弱くなり、精力減退につながるという話も、また別の問題です。あまり毎日毎日食べすぎてしまうと、女性ホルモンが優位になって女性乳房化が起きたり、精力が減退してEDになったり、精子の力が弱くなったりするということがあるかもしれません。
どんなに体に良い栄養素でも、過剰摂取をすると問題が起きますからね。例えば『亜鉛』が薄毛やEDの問題によく効くからといって過剰摂取すると、代わりに『銅』が排出されてしまいます。
『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
銅 骨粗鬆症や動脈硬化が起きやすくなる
(省略)銅が不足すると、髪や皮膚の色が抜けたり、髪が縮れたりします。さらにコラーゲンの生成に支障をきたし、骨粗鬆症や動脈硬化などが起きやすくなります。
銅がなくなるとこのような問題が起きるわけですね。ここに出てきた動脈硬化は、まさに先ほど挙げたようにEDの原因となるわけです。ですから『大豆を食べすぎたらEDになる』というなら、『亜鉛を食べすぎても(銅がなくなるから)EDになる』と言ってもいいわけなんですね。
また、先ほど出ている『抗酸化作用』も、サプリメントなどでそれを過剰摂取すると、問題が生じます。
『健康にいいものばかり食べていると早死にします』にはこうあります。
ベータカロテン神話の崩壊
ベータカロテンはビタミンAが2つ結合した抗酸化物質で、野菜や果物のがん予防効果の主要因と推測されました。(中略)そこで、米国やフィンランドで、大規模な研究が行われました。たとえば肺がんを減少させる効果があるのではないかと期待されたのです。一方の被験者にはベータカロテンとビタミンAを、他方にはニセ薬(プラセボ)を与えて調査を続けました。
すると、約1万8千人の喫煙者などの肺がんリスク者が参加した米国の結果では、喫煙者で肺がん発生率が28%、死亡率で17%高くなったのです。約3万人が参加したフィンランドで、肺がんになる危険率が18%も上昇しました。
(中略)ともかく、野菜や果物から摂るのはいいのですが、サプリでは摂りすぎになり危険が高まります。
サプリメントで抗酸化物質を摂取すると『過剰摂取』に繋がり、『癌のリスクを高める』結果が出ています。これは医療の最先端にいる専門家たちには数年前からすでに常識になっていて、医師たちの間では、『抗酸化物質をサプリメントで摂るのはやめた方がいい』という話になっています。
ですから、食事や栄養素というものは『バランスよく、適量を、定期的に摂る』ということを重んじることが大切なんですね。
馬並師匠
さる
- 食事や栄養素というものは『バランスよく、適量を、定期的に摂る』ということを重んじることが大切。