ED治療薬に習慣性や依存性はある?
『ない』と言えます。
しかし、厳密に言うと人によるというのが正確なところです。精神未熟な人が使えば、どんな薬でも毒になるのが現実です。
馬並師匠
さる
ないと言えるが…
ED治療薬の習慣性や依存性については、『ない』というのが王道の答えです。下記の記事にED治療薬の副作用等についてたっぷりと書きましたので、そちらと併せてご確認いただければ、その王道の答えの意味がわかります。
しかし、上の『暴走』の記事にも書いたように、これらの薬に完全に依存性や習慣性がないとは断言できません。例えば、風邪薬や咳止め薬には依存性はありません。しかし、それらに『依存する人』が存在するのです。ネットで薬を購入するとき、このようなメッセージを見たことがないでしょうか。
この商品は指定第2類医薬品、かつ濫用等の恐れのある医薬品です。
これは実に普通に市販されている薬の概要欄に、記載されいているものです。
AERAdot『一日に700錠も…蔓延するせき止め薬「乱用」はなぜ、なくならないのか』にはこうあります。
参考 一日に700錠も…蔓延するせき止め薬「乱用」はなぜ、なくならないのかAERA dot. (アエラドット)「まっ白なうんこが出るんですよ。ブロンの糖衣って白いでしょ。一度に1瓶飲むと量もハンパないから、色が残っちゃうんでしょうね」
都内で面会した会社員の男性A氏(29)は、目の下のクマをこすりながらそう話す。ブロンとは、薬局で市販されているせき止め薬の商品名。けれど、彼はせきに悩まされているわけではない。
「1瓶飲むとけっこうキマる。だるさが吹き飛んで、やる気がでる。正直、これがないと会社に行けないんですよね。だからやめるなんて考えられない」
ブロンの有効成分であるリン酸ジヒドロコデインと塩酸メチルエフェドリン。前者はモルヒネに似た鎮痛作用があり、後者には覚せい剤に似た覚醒作用がある。もちろん麻薬と比べれば効き目は弱いが、大量に摂取すれば同様の影響があらわれる。A氏はブロンを飲むようになって3年、「月に4万円はブロンに費やす」という重度の市販薬乱用者だ。
麻薬や危険ドラッグの陰に隠れがちだが、A氏のような市販薬の乱用は数十年前から存在した。そして現在、問題は根絶されるどころか、ますます根深く社会に蔓延しようとしている。
これがそのブロンですね。そして依存性のある薬は他にもあります。それが『パブロンゴールド』です。
記事にはこう続きます。
「2016年9月から10月にかけて全国の精神科医療施設における薬物関連精神障害患者の実態を調査しました。対象となった全2262人のうち、覚せい剤の使用経験があったのは1458人なのに対し、ブロンやパブロンゴールドをはじめとした市販薬の乱用は236人。一見すると少ないですが、これは氷山の一角にすぎない」
ブロンの有効成分であるリン酸ジヒドロコデインと塩酸メチルエフェドリン。前者はモルヒネに似た鎮痛作用があり、後者には覚せい剤に似た覚醒作用があるわけです。その効果はもちろん薄いのですが、大量に摂取するとなるとどうなるかわかりません。
記事にはこう続きます。
「市販薬にも依存性があります。徐々に飲む量が増えていき、ブロンの場合、1日に2瓶、約160錠を飲む乱用者はざらです。私が診察した最悪のケースでは、1日に700錠以上も飲んでいる患者がいました。これほど依存が進むと、いくら飲んでも倦怠(けんたい)感に包まれ、仕事にもいけず、人と会う意欲もなくなる。また、食欲もなくなり、やせ細っていきます」(前出の松本医師)
1日に2瓶、約160錠を飲む乱用者はざらで、多い人だと700錠以上も飲んでいるというのですから、ただごとではありません。ここまで大量に摂取すれば、いくら含有量が微量であっても、麻薬と同じような効果を発揮することになります。ですから、そういうことのないように、
この商品は指定第2類医薬品、かつ濫用等の恐れのある医薬品です。
というメッセージを入れて、かつ、一人が買える量が定められているんですね。薬局に行っても、ネットで買おうとしても、その制限を受けることになります。
つまり、ED治療薬の習慣性や依存性については、『ない』というのが王道の答えです。しかし、この世のありとあらゆる問題は、それを扱う人によっては、『毒にも薬にもなる』という事実が存在しているんですね。
馬並師匠
さる
- ED治療薬の習慣性や依存性については、『ない』というのが王道の答え。
- この世のありとあらゆる問題は、それを扱う人によっては『毒にも薬にもなる』。
前始末の重要性を知ろう
上記の記事では、基本的に市販の薬というのは、『毒にも薬にもならない』ような弱い成分のものが多いということを書きましたが、しかし、その薬もこれほどまでに大量に摂取して乱用するのであれば、『毒になる』のです。
そう考えたとき、ED治療薬の習慣性や依存性は、『人によってはあるだろう』というのが正確な答えということになります。もちろん、『ない』とアナウンスしておいた方が意識が芽生えるし、プラシーボ効果(思い込みによる効果)の力も相まって、脇道に逸れなくなります。しかし、『実際にはある』のですから、その事実を隠蔽しないことも、一つの抑止力となるのです。
例えば記事にはこう続きがあります。
それだけでは終わらない。その先に待つのは「無動機症候群」だ。通常、私たちが「何かをしよう」と意欲を抱くとき、体内で生成されるドーパミンを脳が受容することによってそれが起きる。だが、薬物によって日常的に脳を刺激していると、脳が形態学的な変化を起こし、通常の量のドーパミンでは機能しなくなる。結果は、慢性的な虚脱状態、社会生活は無理だ。ここまで事態が進行すると、薬をやめても健康な状態に戻ることはない。
こうなってしまうと、再起するのが難しくなります。それを未然に防ぐためにも、『前始末』が必要なのです。見るべきなのは以下の記事ですね。
馬並師匠
さる
- 前始末の重要性を知る。
ED治療薬を大量摂取するとどうなる?
では、ED治療薬を大量摂取するとどうなるのでしょうか。その問いに正確に答える専門家の意見はありません。おそらく、まだそのような事例がなく、それについてわざわざコメントをしていないということなのでしょう。
例えばバイアグラなどは、青色をした大き目のひし形の錠剤ですが、私が飲んだ時は4分の1で十二分に効果を発揮しました。ですから、それを1錠丸々飲むとどうなるかを考えると、まだ若かった私には『必要のないこと』でした。考えもしなかったということです。
おそらく大勢の人も同じで、それだけの絶大な効果を発揮するバイアグラを、一度に大量に飲もうとする人が今までいなかったのではないでしょうか。そうした事実が手伝って、ED治療薬を大量摂取するとどうなるかについての意見が出ていないのでしょう。
ただ、1997年、お笑いタレントの江頭2:50さんが、ホステスに煽られ、飲み屋でバイアグラを5錠一気飲みしてしまった事実があります。芸人としてのプライドが彼をそうさせ、その場面は盛り上がったのですが、江頭さんはその後病院に運ばれました。
病名は、『急性アルコール中毒』だったようです。バイアグラは強い血行促進効果があるので、アルコールのめぐりもよくなります。お酒と一緒にバイアグラを飲んだ江頭さんは、大量にバイアグラを摂取したせいで、そのお酒が異常なほど体中をめぐり、そうなってしまったんですね。
バイアグラが認可されたのは1999年です。この事件も、バイアグラの違法な使い方をした江頭さんの自業自得ということになってしまいます。硝酸剤と併用してしまい死亡してしまった人も、このように独自のルートで手に入れたことが原因で、知識がなく、無謀なことをしてしまい、そうした事態を招いてしまったのです。
『EDは治療で治る病気』(医学芸術社)にはこうあります。
バイアグラ錠は、一日一回まで。24時間以上あけて服用
バイアグラ錠は、性的刺激に反応して起こる勃起機能をサポートします。バイアグラ錠には25㎎、50㎎の2種類の錠剤があり、1回に服用できる量は医師に指示された25㎎または50㎎までです。それ以上飲んではいけません。医師の処方に従って飲んでください。薬の効き方に個人差があり、効果を得られなかった場合、医師または薬剤師にご相談ください。
バイアグラ錠は催淫剤や性欲増進剤ではありません。決して自分で量を増やしてはいけません。処方された量以上を服用しても効果の増大は望めず、かえって新たな副作用が出現したり、その程度が強くなることがあります。また、一日一回までの服用回数を守ってください。次に飲む時は、必ず24時間以上あけてください。
用法容量を厳守することは固くアナウンスされていますね。ただ、下記の記事にも書いたように、
『ササっとわかる 男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)にはこうあります。
ED治療薬は飲み続けると効果が薄れる?
薬は一般に、飲めば飲むほど体に耐性ができて、効かなくなってくると考えられています。確かにそういったケースもありますが、ED治療薬は、むしろ『飲めば飲むほどEDが改善される』といえます。
ED治療薬とは、血管の働きを健康にする薬であり、勃起を含めた血管の作用を正常な状態に保つ薬です。風邪薬のように、熱を下げたり、咳を止めたりするのではなく、いわば『足りない部分を補う』薬であり、継続的に服用することによって『足りない部分』が少なくなり、血管はより健康になるわけです。
ED治療薬は普通の薬のように耐性ができることもなく、飲めば飲むほど効果が出るんですね。ですから、『一度に大量摂取する』ことは推奨されていませんが、『飲めば飲むほど健康になる』という事実は存在するようです。しかしそれは間違っても『過剰摂取の推奨』ではありませんので、間違えないようにしましょう。
もし万が一その乱用によって死亡してしまっても、自己責任ということになってしまいます。薬の服用は、それをする人によっては『毒にも薬にもなる』ということを忘れてはいけません。
ただ、江頭さんのそのケースの場合、もしその時に『お酒を飲んでいなかったら』どうなっていたのかも気になるところです。もしかしたらただ単に血行が異常なほどよくなるだけで、病院に行くほどの事態にはならなかったかもしれません。いやもちろん、何が起こるかわかりませんので、医師の言うことを聞きましょう。死んでしまっても誰も責任は取れませんからね。
馬並師匠
さる
- ED治療薬とお酒を大量摂取し、急性アルコール中毒で運ばれた人の例がある。
- バイアグラは『飲めば飲むほど健康になる』が、それは間違っても『過剰摂取の推奨』ではない。
依存性は人によってはある
また、そういう観点ではなくても、冒頭に貼った『暴走』の記事の角度で考えると、習慣性や依存性はあります。つまり、そのブロンやパブロンゴールドのような大量摂取はなくても、その効果の高さに嬉しくなって、やめられなくなる、という依存性はあるでしょう。
私の知人の先輩は20代で処方を受けていましたが、薬を使ってよく風俗に行っていましたね。あの時は毎週のように行っていたのではないでしょうか。風俗に行くということの倫理問題がある中で、『バイアグラを使って毎週風俗に行く』あのころの知人は、ある種の依存症だったと言ってもいいのではないでしょうか。
更にその知人は当時、よく性病にかかっていました。つまり、性病にかかってでも、バイアグラを使って毎週のように風俗に行っていたんですね。これが依存症でないのであれば、何なのでしょうか。
バイアグラを使えば女性は喜びます。 女性が男性に求める下半身への期待の第一位は、『サイズ』ではなく、『硬さと持続力』ですからね。
バイアグラでビンビンになったアソコを半ば自慢するかのように、色々な風俗嬢に見せて優越感に浸る。そのような快楽を知ってしまった彼は、たとえ医師に性病のリスクを指摘されたとしても、風俗遊びをやめることはありませんでした。
さすがに最後に『尖圭コンジローマ』になり、イボを焼き切る形になって、泣く泣く風俗遊びをやめることになったようですが、そうでもならないかぎり、彼はその依存から抜けることはできなかったでしょう。
もちろんそれは、ED治療薬だけのせいではありません。風俗、セックス自体に高い依存性があるのです。下記の画像をご覧ください。2012年のハーバードビジネスレビュー誌に掲載された、『人が幸福を感じる時』を図式化したものです。
円の大きさが『普段考えている量』を表します。右にあればあるほど、『幸福度』が増していますね。SEXは、異次元の場所にあるのがよくわかるはずです。おしゃべりをしたり、運動をするよりもはるかに高い幸福度を覚える。それがセックスなのです。
ですから、そのセックスに通じているED治療薬に、全くの習慣性や依存性がないと断言するのは、いささか早計かもしれません。しかしそれも考え方やケースバイケースで、例えば病気や老化によってEDになってしまった人が、健全なセックスライフを取り戻すためにED治療薬を使い、『健康だったころのように毎日セックスをする』ということであれば、そこにある『依存性』の歪みは軽い印象を受けます。
とにかくED治療薬というのは、とても効果の高い薬です。副作用やデメリットはどんな薬にでもあります。薬というのはどんなものでも、使う人によっては『毒にも薬にもなる』ということを忘れてはなりません。
馬並師匠
さる
- 薬というのはどんなものでも、使う人によっては『毒にも薬にもなる』。