ED治療薬は『強力な精力剤』?
いえ。ED治療薬というのは『精力剤』でも『媚薬』でもありません。
正式名称は『PDE阻害薬』です。PDE5という酵素を阻害する薬です。その酵素がcGMPの働きを阻害して勃起を阻止してしまうので、『それを阻止』するのです。それだけの薬なのです。
馬並師匠
さる
ED治療薬は精力剤なのか
ED治療薬が『強力な精力剤である』という噂があり、あるいはそのような印象が存在するかもしれませんが、下記の記事に書いたように、ED治療薬というのは『精力剤』でも『媚薬』でもありません。
それについては、『『EDは治療で治る病気』(医学芸術社)にもこうありますが、
バイアグラ錠は催淫剤や性欲増進剤ではありません。
決してそのような類の薬ではなく、ただ『PDE5を阻害し、NOの出も良くしてくれる薬』なので、間違えないようにしましょう。
- PDS5の働きを阻害する
- NOの出も良くする
- 血液をサラサラにする
しかし、その精力剤の言葉の意味を見ると、『血流促進、滋養強壮、疲労回復などを目的としたもの』とあって、その言葉が『精力増強』と密接に関係していることがわかります。例えば下記の記事に書いたように、
精力増強に有効な食事はたくさんあります。
- ニンニク
- 牡蠣
- ウナギ
- ニラ
- ヤマイモ
- 納豆
などの食材は、すべて精力増強に有効であると言ってよく、勃起の力を助け、EDの問題を予防・改善するわけです。とうことは、
- 勃起を助ける食事=精力増強メシ
といえるわけで、だとしたら、
- 勃起を助ける薬=精力増強剤、精力剤
と考えてもおかしくはありませんね。 このように、そこから得られる効果や結果が類似することから、ED治療薬を精力剤と誤解してしまうのは、仕方ないかもしれません。しかも、その効果は抜群であり、とても強力です。したがって、『ED治療薬は強力な精力剤である』という噂が存在するのは、仕方ないかもしれませんね。
馬並師匠
さる
- ED治療薬というのは『精力剤』でも『媚薬』でもない。
血流を促進させてアンチエイジングできる効果がある
またED治療薬は、結果として『血流を促進させる』ことにつながるわけです。勃起の仕組みを見てみましょう。
- STEP.1エッチな刺激
- STEP.2副交感神経興奮
- STEP.3NO(一酸化窒素)放出
- STEP.4cGMP増加
- STEP.5陰茎海綿体平滑筋弛緩
- STEP.6勃起
という流れが勃起の仕組みです。ED治療薬は、『PDE5』という酵素が、『cGMP』という物質の働きを阻害するのを、『阻害する』薬です。それによってこの条件がすべて整い、結果としてペニスに血液を流入することを手伝います。
ということはそれって、『ペニスの血流を促進させる』 ことを手伝っていますよね。だとしたら、精力剤の定義に当てはまると言ってもいいのではないでしょうか。厳密には違いますが、このあたりはあいまいですね。まあ、
- 滋養強壮
- 疲労回復
といった効果はありませんから、そのあたりのことを考えると、エネルギードリンクのようなものと比べて、差別化することができます。どちらかというと精力剤は、そのような栄養ドリンクの類が当てはまりますからね。
ただこの『疲労回復』ですが、ED治療薬には血管を拡張させて、アンチエイジングの効果があるわけです。
血液というのは、酸素と栄養素を体中に巡らせるために必要不可欠です。その血流が滞り、血行不良になると、
- 薄毛
- 肩こり
- 頭痛
- 腰痛
- 眼精疲労
- 冷え
- ED
といった、様々な問題が生じます。例えば、眼精疲労や肩凝りというのは、長時間のデスクワークを行えばすぐに実感できることですが、これは、長時間同じ態勢を取り続け、あるいはパソコンの画面を見続けたことによって、目や肩などの血流が悪くなることが原因で起こる症状です。
しかしこの問題も、運動やストレッチ、あるいは目を温めるなどの対策を施せば、血行が良くなって凝り、疲れがほぐれ、スッキリすることができます。そこにあるのは、『疲労回復』ですよね。したがって、『血行不良を改善すると、疲労回復できる』という事実が浮上するわけです。
ということは、ED治療薬が血管を拡張して血行不良を治すということは、『疲労回復』の効果も期待できないわけではない、という事実が浮き彫りになります。そうなると、
- 血行促進
- 疲労回復
という2つの効果を期待できるED治療薬は、『精力剤』の定義にとても近い物だと解釈することができますね。しかし厳密には違いますので、お間違えの無いようにしてください。そういった間違いも、ネットでの通信販売等の素人判断に繋がっていますからね。
馬並師匠
さる
- ED治療薬は血流を促進させてアンチエイジングできる効果がある。
- ED治療薬は、『精力剤』の定義にとても近い物。
『セックス時の精力剤』だと勘違いした人々の暴走
EDの治療に関しては、『下の悩みを他人に説明したくない』という問題から、病院で診察を受けない人が多い現実があります。
そこに加えて、もしED治療薬を『精力剤』や『催淫剤』の類だと勘違いている場合は、尚の事病院ではなく、コソコソとした裏ルートで手に入れようとしてしまいます。それば、冒頭の都市伝説の記事に書いた最新ニュースの、『シアリスの偽造品』の事実に繋がっているわけです。
また、『EDは治療で治る病気』(医学芸術社)にはこうあります。
日本よりほぼ一年早く米国で製造、販売されたバイアグラは、その後、マスコミの報道などによって世界中に喧伝されました。日本も例外ではなく、人気に便乗し、個人輸入に走る業者などが後を絶たず、繁華街などの一角では、もぐりで販売する店も出始めました。同年だけで、成田空港経費で密輸され、摘発されたのは16件、約4万錠を超えています。明らかな薬事法違反です。
しかも、EDの治療薬というより、むしろセックス時の精力剤という誤った用途に用いる服用者も少なくなかったようです。事態を重く見た厚生省は、早く承認して適正使用を指導すべきだと判断。バイアグラは申請からわずか6か月という異例の早さで承認されたといういきさつがあります。
ED治療薬が、『セックス時の精力剤』だと勘違いした人々がこのような暴走行為に出てしまっているのが現実なんですね。そう考えると、やはりこの問題の解決策は、ED治療薬に対する正確な理解であることがわかります。ED治療薬は精力剤も催淫剤でもなく、『PDE5阻害薬』ですので、間違えないようにしましょう。
- STEP.1EDは恥ずかしい病気である(間違った思い込み)
- STEP.2病院に行くよりネットで薬を買って密かに治した方がいい(間違った思い込み②)
- STEP.3偽の薬と気づかずにネットで注文する(間違った行動)
- STEP.4待っても待っても商品が届かないあるいは偽物の粗悪品をつかまされる
- STEP.5EDの症状は以前のままあるいは違う問題が浮上するリスクがある
馬並師匠
さる
- 『セックス時の精力剤』だと勘違いした人々の暴走が悲劇を招いた。