精力減退の症状に効く漢方薬は?
基本的に、
- 血行促進
- 精神安定
の効果があるものが有効だと考えられます。
馬並師匠
さる
目次
どんな漢方薬が効くのか
精力減退の原因は様々なものがあります。単純に疲労していたり、あるいは加齢によって様々な部位に支障が出ていたり。もちろん、栄養不足ということもあるでしょうし、勃起はするけど、肝心のセックスの際にEDになる、ということもあります。
今回は、それを『漢方薬』で何とか対処できないかと考えてみたとき、どのような漢方薬がふさわしいか調べてみました。 そしてピックアップできるのは、以下の漢方薬になります。
- 六味丸(ろくみがん)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 牛車腎気丸(ごじゃじんぎがん)
- 柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこりゅうこつぼれいとう)
- 桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう)
- 補中益気湯(ほっちゅうえっきとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
一つ一つ見ていきましょう。
六味丸(ろくみがん)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
六味丸(ろくみがん)
八味地黄丸から桂皮と附子を抜いた処方。排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ、しびれ、神経痛に用いられる。疲れやすく、尿量が減ったりあるいは増えたりし、ときに口が乾いたり寝汗が出たりする場合に用いる。特に、手足がほてる場合によく使われる。
頻尿に効く漢方薬。前立腺肥大症や高齢者の頻尿、特に夜間頻尿に対する有効性が明らかにされています。 頻尿とED、あるいは前立腺とEDに関する問題は下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
- 寒がりで、体力がない人
八味地黄丸(はちみじおうがん)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 『腎』の働きが衰えた高齢者に元気をつける
高齢者に用いられることが多い薬で、疲労・倦怠感が激しく、寒がりで特に手足や腰から下が冷え、夜間にトイレに行くことが多いような人によく用いられます。
(中略)八味地黄丸は、頻尿・夜間頻尿、排尿困難、前立腺肥大症、気力・精力の減退、勃起障害、腰痛、坐骨神経痛、しびれ、かすみ目ねど、老化にともなう症状によく用いられます。
これも同じように、頻尿に効く漢方薬。前立腺肥大症や高齢者の頻尿、特に夜間頻尿に対する有効性が明らかにされています。高血圧や脳血管障害にともなう症状などにも使われます。また、まさに気力・精力の減退、勃起障害と出てきましたね。高齢者かつ、男性更年期障害で、ED気味であるという人にはもってこいの漢方薬となります。
- 高齢者に多く用いられ、冷え性の人に向く。
牛車腎気丸(ごしゃじんぎがん)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
牛車腎気丸(ごしゃじんぎがん)
- 高齢者によく用いられる『腎虚』を改善する薬
牛車腎気丸は、八味地黄丸に、牛膝と車前子という生薬を加えたものです。この薬は、体力が低下した疲れやすい人で、腰から下が冷え、しびれや痛み、むくみなどがあったり、排尿障害、性力の減退などがみられる場合に用いられます。
牛車腎気丸は、
- 高齢者の頻尿
- 夜間頻尿
- 腰痛
- 下肢痛
- 老人性皮膚掻痒症
- 糖尿病の合併症の神経障害によるしびれ
等、その効果は多岐にわたります。そしてまさに、性力の減退というキーワードが出てきましたね。
- 高齢者に多く用いられ、冷えやむくみのある人に向く。
柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 神経質で精神的に不安定な人に
比較的体力はあるが、神経質で、ささいなことが気になって、抑うつ、不安、イライラ、不眠などがあるような、精神的に不安定な人に用いられる薬です。神経症、不眠症、鬱状態、神経症の心悸亢進、子供の夜泣き、勃起障害などがあるときに処方されます。
あるいは、高血圧や動脈硬化症、慢性腎臓病などにともなう症状の改善に使われることもあります。
柴胡加竜骨牡蛎湯は、精神的な安定によく聞く漢方薬です。精神的な問題とEDとは密接に関係していますからね。また、不眠症にも効きますから、睡眠不足によって交感神経が優位になり、EDとなることも予防・改善してくれます。
また、高血圧や動脈硬化に有効であるということは、まさにEDに有効であるということですからね。そして何より、勃起障害に効くというので、精力を補う万能薬ですね。
- 比較的体力があり、神経質な人に向く。
桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう)
- 不眠やイライラ、子供の夜尿症にも
神経が過敏になることで起こる不眠、イライラ、不安、のぼせ、動機や息切れなどを改善する漢方薬です。神経症をはじめ、ストレスのような精神的な不安が引き起こす男性の性機能の低下や、神経の高ぶりによる子供の夜泣きや夜尿症にも用いられます。
桂枝加竜骨牡蛎湯も、精神的な面を安定させてくれる効果が期待できます。そしてまさに、そういったストレスが引き起こす男性機能の低下にも有効だとありますね。EDの原因となるのは、
- 社会的ストレス
- 生物学的ストレス
の2つのストレスですが、そのストレスに有効であるということは、心強いですね。
- 体力がなく、神経質な人に向く。
補中益気湯(ほっちゅうえっきとう)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
補中益気湯(ほっちゅうえっきとう)
- 胃腸の働きを整えて元気を補う薬
生命活動の根源的なエネルギーである『気』の量が不足した『気虚』に用いられる薬です。(中略)滋養強壮作用のある『人参』、胃腸の働きをよくする『生姜』や『陳皮』、血行をよくする『当帰』、水分代謝をよくする『朮』などがいっしょに働いて効果を発揮します。胃腸の消化・吸収機能を整えて『気』を生み出し、病気に対する抵抗力を高める薬です。
補中益気湯は虚弱で元気がない人に向く漢方薬です。したがって、胃腸の働きが弱っていて、食欲不振であり、栄養不足の状態にあるような人のフォローをしてくれます。また、滋養強壮作用のある人参や、血行をよくする当帰などが含まれているので、それ自体がEDに効果があると言えます。
- 虚弱で元気がない人に向く。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 冷えを伴う婦人科系の諸症状を改善
”産婦人科の三大漢方薬”のひとつで、『血』の不足を補い、巡りをよくして、体を温める薬です。さまざまな婦人科系の病気に効果を発揮します。月経異常、不妊症、更年期障害、自律神経失調症、腰痛、慢性頭痛などによく用いられます。
(中略)補血・強壮作用のある『当帰』と『川芎』が血行をよくして体をあたため、『芍薬』が痛みをやわらげ、利水作用にすぐれた『朮』、『沢瀉』、『茯苓』が余計な水分を排泄させます。されにこれがいっしょになって『血』の働きに活力を与えると言われています。
(中略)また、糖尿病の合併症や脳血管障害の慢性期にも症状の改善に用いられています。
当帰芍薬散は、主に”産婦人科の三大漢方薬”として数えられますが、血行を良くしたり、糖尿病の合併症や脳血管障害の慢性期にも有効なので、結果的にEDに有効だと言えます。
- やせていて顔色の悪い、冷え性の人に向く。
精力減退やEDに有効な漢方薬は意外とありましたね。さらに漢方薬についての詳細を下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
馬並師匠
さる
- 各漢方薬の効能を確認する。