アルギニンはEDに効果がある?
アルギニンは勃起に必要な一酸化窒素の分泌を促し、勃起力を高めます。しかし、未成年がサプリメントなどで過剰摂取すると、『巨人症』になるリスクが高まりますので注意が必要です。
馬並師匠
さる
アルギニンとED
下記の記事に書きましたが、今回は『アルギニンとED』、あるいは『アルギニンと精力増強』というテーマで特化して書いていきます。
アルギニンはアミノ酸の一種ですね。『非必須アミノ酸』です。つまり、体内で合成されるアミノ酸ということですね。『必須アミノ酸』は体内では合成されないので、食事から積極的に摂取する必要があります。
このアルギニンに関しては、下記のごまの記事に書きましたので、詳細はそちらでご確認ください。『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
免疫機能が強化され、病気に罹りにくくなる
成長ホルモンには、体を活性化し、免疫機能を強化する働きがありますが、アルギニンはこのホルモンの合成にかかわっています。免疫機能が強化されることによって病気にかかりにくく、けがをしても傷の治りが早くなります。
アルギニンは成長ホルモンの合成に関わっているので、病気にかかりにくくなり、怪我をしても傷の治りが早くなるんですね。EDの問題で考えれば、器質性EDの主な原因として下記の原因が挙げられますが、
器質性EDの主な原因
- 1:高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化
- 2:脊髄損傷、多発性硬化症、前立腺や結腸など骨盤内の外科手術
- 3:腎疾患、肝疾患、ホルモンの病気
- 4:副作用としてEDを引き起こす薬物
- 5:喫煙、過度のアルコール摂取
- 6:自転車
例えば2番のような怪我を負ってEDになった場合、その回復のためにも役立つと言えます。また、3番のような様々な病気を予防する効果も期待できますね。
『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
脂肪の代謝を促進し筋肉を強化する
さらに成長ホルモンには、肉体も精神もともに強める働きがあり、体の脂肪を燃やし筋肉を強化するということで、ボディビルダーの間で、栄養補助剤として使用されているともいいます。
また、精力回復のサプリメントなどにもアルギニンは配合されていますが、成長期の子供にサプリメントとして与えすぎると、巨人症にかかる危険もあります。サプリメントとして摂取するときには、就寝前の空腹時に飲むのが効果的です。
アルギニンには、
- 精子の数を増やし、その運動性を高める
- 勃起に必要な一酸化窒素の分泌を促し、勃起力を高める
という効果があり、精力増強には欠かせないのですが、成長期の子供がアルギニンを大量摂取すると『巨人症』にかかる危険性があります。しかし、成人が適量を摂る分には全く問題はありません。
その他にも過剰症によって、
- 肌荒れ
- 関節肥大
- 骨の奇形
が考えられますので、過剰摂取には注意しましょう。
馬並師匠
さる
- アルギニンは体内で合成されるアミノ酸。
- アルギニンによって免疫機能が強化され、病気に罹りにくくなる。
- アルギニンには、精子の数を増やし、その運動性を高める、また、勃起に必要な一酸化窒素の分泌を促し、勃起力を高める効果がある。
- 成長期の子供がアルギニンを大量摂取すると『巨人症』にかかる危険性がある。
アルギニンが含まれている食材
では、アルギニンが含まれている食材は何があるでしょうか。文部科学省の『食品成分データベース』にはこうあります。
肉類/<畜肉類>/ぶた/[その他]/ゼラチン | 7900mg |
---|---|
豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ | 6700mg |
種実類/すいか/いり、味付け | 5100mg |
卵類/鶏卵/卵白/乾燥卵白 | 5000mg |
豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/繊維状大豆たんぱく | 5000mg |
魚介類/<魚類>/とびうお/煮干し | 4900mg |
豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/濃縮大豆たんぱく | 4900mg |
魚介類/(いか類)/加工品/するめ | 4700mg |
種実類/かぼちゃ/いり、味付け | 4700mg |
魚介類/<魚類>/とびうお/焼き干し | 4600mg |
魚介類/にしん/かずのこ/乾 | 4600mg |
- 豚肉
- 大豆
- 卵
- とびうお
- 煮干し
- いか
などの多く含まれているということですね。その他にも、参考文献 『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』によると、
アルギニンを多く含む食品(100g)
小麦胚芽 | 2300mg |
---|---|
ごま(乾) | 2700mg |
大豆 | 2800mg |
高野豆腐 | 4200mg |
湯葉(干し) | 4100mg |
が挙げられます。数値が微妙に違うようですが、どちらにせよ大豆系はとてもいいようですね。また、『あたらしい栄養事典』には、
- 大豆
- エビ
- ゴマ
とあり、『エビ』にも含まれているとあります。
またアルギニンの一日の摂取量は、4,000~9,000mgとされているので、
- 豚肉+卵+大豆
などの食事を摂れば、すぐにこれを超えてしまいますね。しかし、多少超えたくらいでは問題ありません。成長期の子供に考えられる巨人症も、サプリメントとして与えすぎることが原因ですから、成人の場合は、偏って高アルギニン食品を食べ続けない限り、問題はないでしょう。
馬並師匠
さる
- アルギニンが含まれている食材を確認する。
過剰摂取はサプリメントが危険
基本的に、栄養素というのは食材からではなくサプリメントとして摂ると、過剰摂取に注意する必要があるとアナウンスされます。下記の記事にも書きましたが、
『健康にいいものばかり食べていると早死にします』にはこうあります。
ベータカロテン神話の崩壊
ベータカロテンはビタミンAが2つ結合した抗酸化物質で、野菜や果物のがん予防効果の主要因と推測されました。(中略)そこで、米国やフィンランドで、大規模な研究が行われました。たとえば肺がんを減少させる効果があるのではないかと期待されたのです。一方の被験者にはベータカロテンとビタミンAを、他方にはニセ薬(プラセボ)を与えて調査を続けました。
すると、約1万8千人の喫煙者などの肺がんリスク者が参加した米国の結果では、喫煙者で肺がん発生率が28%、死亡率で17%高くなったのです。約3万人が参加したフィンランドで、肺がんになる危険率が18%も上昇しました。
(中略)ともかく、野菜や果物から摂るのはいいのですが、サプリでは摂りすぎになり危険が高まります。
抗酸化物質はサプリメントで摂取すると『過剰摂取』に繋がり、『癌のリスクを高める』結果が出ています。これは医療の最先端にいる専門家たちには数年前からすでに常識になっていて、医師たちの間では、『抗酸化物質をサプリメントで摂るのはやめた方がいい』という話になっています。
しかし『野菜や果物から摂るのはいい』んですね。このアルギニンも同じような考え方で、サプリメントからの過剰摂取にだけ注意をすれば、普段の生活でなかなかアルギニン過剰摂取になることはないでしょう。もちろん、ここで挙げた高アルギニン食品をよく食べるということであれば、注意が必要です。
馬並師匠
さる
- 過剰摂取はサプリメントが危険。
精力剤業界もアルギニンは見逃さない
このアルギニンは、『テンガ メンズチャージ』のようなエナジーゼリーにも含まれていて、飲むとその効果を理解することができます。
この商品の場合はその他にも、
- 亜鉛
- マカ
- スッポン
- マムシ
とたくさんの精力増強に効く栄養素が含まれていますが、アルギニンはその中でもトップクラスの精力増強栄養素として表示されています。今や、アルギニンはこのあたりの精力増強栄養素と並ぶほど有名になりましたね。
そのうち、
- ヤマイモ
- ゴマ
- 大豆
- 卵
に関しては、アルギニン以外にも精力増強に役立つ栄養素が含まれていますので、別で記事にしました。併せてご確認ください。
馬並師匠
さる
- 精力剤業界もアルギニンは見逃さない。
アルギニンに秘められた力はすごい
また、このアルギニンから合成される『ポリアミン』というファイトケミカルにも注目することができます。
ポリアミンについて『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
動脈硬化を予防するポリアミン
ポリアミンはアミノ酸の一種・アルギニンから合成され、すべての生物の細胞内に存在し、細胞分裂や細胞増殖などの制御に関与しています。ポリアミンは、納豆などのポリアミンを含む食品をとることで、動脈硬化を抑制するといわれています。
加齢とともに増えるLFA-1とう老化物質は、血管内の炎症を引き起こし、動脈硬化を促進させる働きをしますが、この物質の抑制に効果を発揮するのがポリアミンなのです。
アルギニンがあるとこのポリアミンが合成され、それが動脈硬化を抑制します。動脈硬化とEDは密接に繋がっていますので、それが予防できるということはEDの予防・改善に大きく関係しているということですね。
まとめるとアルギニンには、
- 精子の数を増やし、その運動性を高める
- 勃起に必要な一酸化窒素の分泌を促し、勃起力を高める
- 成長ホルモンの合成に関わり、病気にかかりにくく、怪我をしても早く治る
- 成長ホルモンが肉体も精神もともに強める
- 動脈硬化を抑制するポリアミンを合成する
という効果が期待でき、様々な方向からEDの予防・改善、あるいは精力増強に役立つ栄養素だと考えることができます。この『精神も強める』ということですが、精神状態とEDとは密接に関係していますからね。
EDの原因の割合は、
- 心因性=52%
- 器質性=48%
ですから、ED患者の半数以上は、精神的な面が弱くて心因性EDになっているのです。アルギニンで成長ホルモンの合成を強化し、精神が強化されれば、そういった面においても抵抗力がつきますからね。
馬並師匠
さる
- アルギニンから合成される『ポリアミン』は動脈硬化を抑制し、EDの予防と改善に役立つ。